せん妄に有効な薬はない! 極力、非薬物治療を行え!

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 N Engl J Med2017; 377: 1456-1466)に「高齢入院患者の譫妄」の総説がありました。日常的に遭遇する問題ですのでまとめてみました。著者は米・Beth Israel Deaconess Medical Center, and Harvard Medical School一般内科のドクターです。

 N Engl J Med 総説「入院高齢患者の譫妄」の最重要点は次の8点です。

  • せん妄に有効な薬はなく極力、非薬物治療を行え。ベンゾジアゼピンを使うな!
  • 拘束を避けて眼鏡・補聴器を使い、歩かせ、トイレ誘導、下剤使用、時計・カレンダーを
  • 尿閉、便秘はせん妄を起こす。トイレ時間誘導し緩下剤を出せ!深夜のバイタルチェックやめて不必要な覚醒を避けよ!
  • 1日3回「時間、場所、人」を繰り返し教えよ(reorientation)!
  • 抗コリン薬、第一世代抗ヒスタミン薬、H2受容体拮抗薬を中止せよ!
  • 疼痛は譫妄を起こす!鎮痛薬は頓服でなく定時(round the clock)処方せよ
  • 興奮で危険なときのみ抗精神病薬(ハロペリドール、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン)を少量使用

仲田 和正(なかた かずまさ)

仲田氏

 西伊豆健育会病院病院長。1978年に自治医科大学卒業、静岡県立中央病院(現静岡県立総合病院)全科ローテート研修、1980年に浜松医科大学麻酔科研修(4~9月)、静岡県国民健康保険佐久間病院外科・整形外科。1984年に自治医科大学整形外科、大学院、1988年に静岡県島田市民病院整形外科、1991年に静岡県西伊豆病院整形外科。

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