否定された「ビタミンD」「骨質」神話

脆弱性骨折の危険因子は骨密度のみ

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

連載を再開します!

 誰もご存じないと思うが、というか誰も興味がないと思うが、本コラムの掲載は半年ぶりである。私は「私事で恐縮ですが」と前置きをして、私事を延々と話すのが大好きである。というわけで、私事で恐縮ですが故郷の実家で不測の事態が起こってしまい、春から医師と実業家の二足の草鞋で東京と実家の往復を繰り返していた(ちなみに文中の上付き文字は、私が大ファンの女優、中谷美紀さんの結婚報告手紙のパクリである。彼女はやはり「アリ寄りのアリ」でカッコいい)。私の実業家としてのミッションは、故郷の中小ファミリービジネス会社を見捨てて出て行ったなんのシガラミもない長男として、カルロス・ゴーン流の冷血なコストカットをやることであった。しかしながら、いきなりビジネスの海千山千の輩の中に放り出されて、社会の厳しさ、ついでに日本の医療界のアマアマ、ズブズブさを痛感した。

 秋になってなんとか逮捕もされないで帰京した(100億円どころか飛行機代すらもらっていないので当然である。貯まったのはマイレージだけである)。すっかり忘れ去られているだろうとタカとくくっていたら、先日突然、編集担当者のH氏からメールが来た。トラブルメーカーが急に音沙汰がなくなってホッとしているだろうと思ったのに、連載再開の打診であった。というわけで、H氏のご厚情と友情に心から感謝しつつ、久しぶりに執筆させていただく。

川口 浩(かわぐち ひろし)

1985年、東京大学医学部医学科卒業。同大学整形外科助手、講師を経て2004年に助教授(2007年から准教授)。2013年、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)東京新宿メディカルセンター脊椎脊髄センター・センター長。2018年、東京脳神経センター整形外科・脊椎外科部長。臨床の専門は脊椎外科、基礎研究の専門は骨・軟骨の分子生物学で、臨床応用を目指した先端研究に従事している。Peer-reviewed英文原著論文は300編以上(総計impact factor=1,510:2018年4月現在)。2009年、米国整形外科学会(AAOS)の最高賞Kappa DeltaAwardをアジアで初めて受賞。2011年、米国骨代謝学会(ASBMR)のトランスレーショナルリサーチ最高賞Lawrence G.Raisz Award受賞。座右の銘は「寄らば大樹の陰」「長いものには巻かれろ」。したがって、日本の整形外科の「大樹」も「長いもの」も、公正で厳然としたものであることを願っている。

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