結核と肺MAC症を胸部CTで見分ける秘訣

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

研究の背景:結核疑い例の中に潜む非結核性抗酸菌症

 当院(国立病院機構近畿中央呼吸器センター)には、いろいろな病院から結核疑いの患者が紹介されてくる。しかし、その中には非結核性抗酸菌(NTM)症だったという症例が少なからず存在する。NTM症には、Mycobacterium avium complex(MAC)やM. kansasiiなど複数の原因菌が存在し、それぞれ微妙に患者背景や画像所見が異なる。

 例えば、肺MAC症は結核と違って中葉・舌区に陰影をつくりやすく、やせた女性に多い。肺M.kansasii症は、喫煙している男性の上葉に結核と類似の陰影をつくりやすい。

 一方、放射線科医や呼吸器専門医が胸部画像上「結核らしい」と思っていても、そうでなかったというケースは往々にしてある。

 今回紹介するのは、胸部画像検査で結核と肺MAC症が鑑別できるかどうか、というチャレンジングな論文である(Respir Investig 2020年2月23日オンライン版)。

倉原 優 (くらはら ゆう)

国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科医師。2006年、滋賀医科大学卒業。洛和会音羽病院での初期研修を修了後、2008年から現職。日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本感染症学会感染症専門医、インフェクションコントロールドクター、音楽療法士。自身のブログで論文の和訳やエッセイを執筆(ブログ「呼吸器内科医」)。著書に『呼吸器の薬の考え方、使い方』、『COPDの教科書』、『気管支喘息バイブル』、『ねころんで読める呼吸』シリーズ、『本当にあった医学論文』シリーズ、『ポケット呼吸器診療』(毎年改訂)など。

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする