N Engl J Med(2022 Aug 25; 387: 727-736)の総説が「卵巣と卵管病変」でした。救急外来では重要なテーマであるにもかかわらず、なかなか勉強の機会がない領域です。たいへん有難く読ませてもらいました。 NEJM総説「卵巣と卵管病変」最重要点は次の13点です。 子宮付属器腫瘍に内診の感度は低く、良・悪性の区別もできぬが周囲癒着は分かる 付属器腫瘍は3つ自問:要緊急手術(CBC、HCG)? 悪性か? 挙児やホルモン維持希望は? 緊急手術を要するのは、捻転、外妊、悪性病変による腸閉塞! CBC、HCGで外妊否定! 卵管、卵巣がんは高齢でリスク↑、2割は遺伝性(BRCA1、2など)、家族歴聞け! 卵巣がんは卵巣だけでなく卵管采からも発生!卵管は全切除、卵管采を徹底的検索! 診断にエコー重要、良性は嚢胞(径<10cm)、固形成分(ー)か径7mm以下、音響陰影、血流(ー) エコーからの付属器腫瘍鑑別一覧。形態が複雑なほど悪性リスクは高い! 卵巣がんの8割CA-125↑(閾値なし)、良性でも↑、HE4も特異度優れる、両者提出 卵巣生検は病巣散布、悪化! 卵巣がんは血行でなく腹腔散布。卵巣サイズ4×2.5cm→閉経期アーモンド大 単一嚢胞±隔壁は常に良性。複合病変でがん化は7カ月以内! 奇形腫で捻転は0.2%! 高リスク付属器腫瘍では産婦人科医でなく、婦人科腫瘍医紹介で生存率高い 小児は疼痛、月経不順、思春期早発で受診。妊娠時皮様囊腫多い。腹腔鏡は14~27週で 子宮付属器腫瘍の処置、O-RADS 2020一覧