研究の背景:喫煙は常位胎盤早期剝離の危険因子だが寄与率は不明 常位胎盤早期剝離は、妊娠後期に胎盤が子宮壁から剝離する重篤な病態で、母体と胎児の命を脅かす緊急疾患である。胎児死亡の原因の一つであり、母体にも大量出血や播種性血管内凝固症候群(DIC)といった重篤な合併症を引き起こす可能性がある。この病態の危険因子として、妊娠高血圧症候群、前期破水、外傷などが知られているが、喫煙もまた重要な因子であることは、私たちの臨床経験から明らかである。