信頼性高まる「ケトン食は精神疾患に有効」
抑うつ症状に対するRCTのメタ解析
研究の背景: 3年前に対照群のない予備的な研究を紹介
現在米国で、Breakthrough Discoveries for thriving with Bipolar Disorder(BD2)という、双極症の大きな研究プロジェクトが動いている。これは、Google創業者のSergey Brin氏、Roblox社のDavid Baszucki氏など、3人の富豪が始めた双極症の原因解明を目指す大規模な研究プロジェクトである。
Baszucki夫妻のご子息が双極症を患い、ケトン産生食(以下、ケトン食)で回復したことから、Baszucki氏は精神疾患に対するケトン食の効果に多大な関心を持ち、Metabolic Psychiatry Communityというメーリングリストを運営するなどして、Metabolic Psychiatryを唱道している。
ケトン食というと、以前は難治性てんかんに対する特殊な治療法というイメージがあったが、本連載の2回目(2023年1月24日)でも、治療抵抗性双極性障害、統合失調感情障害、うつ病などの精神疾患にケトン食が有効かもしれない、という予備的な研究を紹介した(関連記事「精神疾患にもケトン食は有効? 第一歩の研究」)。そこで紹介したのは対照群のない研究で、エビデンスの高いものではなかったが、このたび、うつ病・不安症に対するケトン食のシステマチックレビューとメタ解析が発表されたので(JAMA Psychiatry 2025年11月5日オンライン版)、見てみよう。
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加藤 忠史(かとう ただふみ)
順天堂大学精神医学講座主任教授。1988年東京大学医学部卒業、同病院で臨床研修、1989年滋賀医大精神医科大学講座助手、1994年同大学で医学博士取得、1995年米・アイオワ大学精神科に留学(10カ月間)。帰国後、1997年東京大学精神神経科助手、1999年同講師、2001年理化学研究所脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チームリーダー、2019年理化学研究所脳神経科学研究センター副センター長を経て、2020年4月から現職。
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