ドクターズアイ 齋田良知(整形外科)

「温存」時代の半月板損傷治療にbiologicの課題

混合診療規制下の日本が世界に示すべきものは

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

「修復」と「低い生物学的治癒能」のギャップを埋めるbiologic augmentation

 半月板損傷に対する治療戦略は、この10年で大きく変化した。「切除から温存へ」という潮流の中で縫合手技は進歩し、修復適応は着実に拡大している。しかし同時に、半月板は血流に乏しく、生物学的治癒能に限界がある組織であることも、臨床家であれば誰もが実感している現実である。そのギャップを埋める手段として期待されてきたのが、"biologic augmentation(生物学的補強)"である。

 昨年(2025年)、Knee Surg Sports Traumatol Arthroscに掲載された scoping review は、半月板修復に対する biologic augmentation を扱った125編の文献を整理し、この分野の現在地を俯瞰したレビューである(Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc 2025; 33: 4176-4188)。本論文は、特定の治療法の有効性を断定するものではなく、「なぜこの分野がいまだ標準治療に到達していないのか」を構造的に解説している点で、極めて示唆に富む内容となっている。

齋田良知(さいた よしとも)

順天堂大学整形外科・スポーツ診療科准教授(運動器再生医学講座特任教授)

順天堂大学医学部を卒業後、同大学整形外科・スポーツ診療科に入局。Jリーグジェフ千葉および女子サッカー日本代表(なでしこジャパン)のチームドクターを務め、2016年にはイタリアのサッカークラブACミランに帯同した。2016年のいわきFC発足時からチームドクターを務める。2018年、一般社団法人日本スポーツ外傷・障害予防協会を設立し、代表理事に就任。変形性膝関節症など変性疾患の治療経験も豊富で、多血小板血漿(PRP)療法を含む幅広い治療選択肢を患者に応じて使い分けている。

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