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真に知りたい問いを見極めよ

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

(© Adobe Stock ※画像はイメージです)

研究の背景:広域抗菌薬開始の遅れ、アウトカムに影響を及ぼすか?

 当然のことながら、神戸大学病院感染症内科では定期的にジャーナルクラブを行っている。今回紹介するのは、そのジャーナルクラブで議論されたものだ。論文を見つけてきたのは後期研修医(フェロー)の溝辺達季先生である。ご本人の許可を頂いて、本稿をしたためている。なお、本稿自体は岩田が100%執筆したものである。言うまでもなく、人工知能(AI)も使っていない。

 臨床感染症業界ではトップジャーナルの1つであるCIDに掲載された論文だ。広域抗菌薬の開始の遅れがアウトカムに影響を及ぼすか?という、誠に臨床家が知りたいclinically relevantなトピックである。

Baghdadi JD et al. Association Between Delayed Broad-Spectrum Gram-negative Antibiotics and Clinical Outcomes: How Much Does Getting It Right With Empiric Antibiotics Matter? Clin Infect Dis 2025; 80: 949-958.

岩田 健太郎(いわた けんたろう)

神戸大学大学院医学研究科教授(微生物感染症学講座感染治療学分野)・神戸大学医学部付属病院感染症内科診療科長

1971年、島根県生まれ。島根医科大学卒業後、沖縄県立中部病院、コロンビア大学セントルークス・ルーズベルト病院、アルバートアインシュタイン医科大学ベスイスラエル・メディカルセンター、北京インターナショナルSOSクリニック、亀田総合病院を経て、2008年より現職。著書に『悪魔の味方 — 米国医療の現場から』『感染症は実在しない — 構造構成的感染症学』など、編著に『診断のゲシュタルトとデギュスタシオン』『医療につける薬 — 内田樹・鷲田清一に聞く』など多数。

岩田 健太郎
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