入院患者の「呼吸困難」は死亡リスク、きっちり評価しよう

院内および退院後のリスク予測に有用

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

研究の背景:多くの患者に見られる呼吸困難、入院後の継続評価の意義は?

 呼吸困難は、疼痛と同様に患者自身の主観的報告に依存する症状である。呼吸困難は、呼吸器疾患・循環器疾患のある患者によく見られるが、この存在はさまざまな疾患において予後不良の独立した予測因子となることが知られている(Clin Respir J 2016; 10: 142-152)。

 入院後の経過中に呼吸困難を継続的に評価することが、リスク患者の同定に寄与するかどうかは十分に検討されていなかった。今回取り上げる米国の研究(ERJ Open Res 2026; 12: 00804-2025)は、三次医療機関の非集中治療室(ICU)病棟に入院した9,785例の連続症例を対象とした後ろ向きコホート研究であり、看護師が各勤務帯で0〜10のスケールを用いて患者に呼吸困難と痛みの評価を行い、入院中死亡、退院後2年間の死亡、その他の有害転帰との関連を検討したものである。

 データは2014年3月~16年9月に収集され、一般内科、腫瘍内科、循環器科、整形外科など14の病棟が対象に含まれた。

 膨大な看護記録を基に研究を進めており、実臨床に即した素晴らしい着想だと思う。

倉原 優 (くらはら ゆう)

国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科医師。2006年、滋賀医科大学卒業。洛和会音羽病院での初期研修を修了後、2008年から現職。日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本感染症学会感染症専門医、インフェクションコントロールドクター、音楽療法士。自身のブログで論文の和訳やエッセイを執筆(ブログ「呼吸器内科医」)。著書に『呼吸器の薬の考え方、使い方』、『COPDの教科書』、『気管支喘息バイブル』、『ねころんで読める呼吸』シリーズ、『本当にあった医学論文』シリーズ、『ポケット呼吸器診療』(毎年改訂)など。

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする