研究の背景:多くの患者に見られる呼吸困難、入院後の継続評価の意義は? 呼吸困難は、疼痛と同様に患者自身の主観的報告に依存する症状である。呼吸困難は、呼吸器疾患・循環器疾患のある患者によく見られるが、この存在はさまざまな疾患において予後不良の独立した予測因子となることが知られている(Clin Respir J 2016; 10: 142-152)。 入院後の経過中に呼吸困難を継続的に評価することが、リスク患者の同定に寄与するかどうかは十分に検討されていなかった。今回取り上げる米国の研究(ERJ Open Res 2026; 12: 00804-2025)は、三次医療機関の非集中治療室(ICU)病棟に入院した9,785例の連続症例を対象とした後ろ向きコホート研究であり、看護師が各勤務帯で0〜10のスケールを用いて患者に呼吸困難と痛みの評価を行い、入院中死亡、退院後2年間の死亡、その他の有害転帰との関連を検討したものである。 データは2014年3月~16年9月に収集され、一般内科、腫瘍内科、循環器科、整形外科など14の病棟が対象に含まれた。 膨大な看護記録を基に研究を進めており、実臨床に即した素晴らしい着想だと思う。