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"床オナ"が膣内射精障害の原因に、「正しい自慰行為を」

 2014年01月24日 10:30

 性交の際に射精に至るまでが著しく遅い「遅漏」や、女性の膣内で射精に至らない「膣(ちつ)内射精障害」に悩む男性が増えており、その一因として自慰行為(オナニー)のスタイルが指摘されている。適切な家族計画や性生活の在り方を考える日本家族計画協会家族計画研究センターは1月20日、東京都でインターネット調査「ジャパン・セックス・サーベイ」の報告会を開き、日本人の性の実態を公表した。同センターの北村邦夫所長は調査報告に関連し、男性器を床にこすりつけて刺激する"床オナ"が膣内射精障害の原因の一つとして問題になっていることを明かし、「自慰行為は正しく行うべき」と警鐘を鳴らした。

60歳男性の半数近くが過去1カ月の自慰行為「ある」

 同センターは、2002年から2年置きに「男女の生活と意識に関する調査」を行っている。ジャパン・セックス・サーベイは、同センターが2012年に日本のコンドームメーカー「ジェクス」の依頼を受けてスタートさせたインターネット調査で、今回が2回目となる(関連記事)。

 対象は全国20~69歳の男女で、2013年12月13~15日にインターネット調査機関のモニター10万6,871人に電子メールでアンケートを配信し、5,570人から有効回答を得た。今回は、比較を行うために各都道府県から均一に107サンプルを集め、人口構成比に合わせて再集計した。

 自らの性器を刺激して性的快感を得る自慰行為について、過去1カ月に行ったとした回答は20歳代が最も多く男性93.9%、女性66.1%だった。どの年齢層も男性が女性を30~40ポイント程度上回り、50歳代や60歳代でも男性はそれぞれ69.2%、45.0%。北村所長は「女性に比べてことのほか元気」と旺盛な性欲が持続していることを強調した。

 自慰行為の際に使う器具については、男性の6.6%がオナニーホール(オナホール、オナホ)、1.5%がジェル(潤滑剤)を使っていたが、90.3%は「使用しない」と回答。一方、女性は「使用しない」が74.0%にとどまり、バイブレーターとローターがそれぞれ10%を超えていた。

床オナ問題は日本特有との見方も

 ここで北村所長は、若年男性の間で膣内射精障害が深刻な問題になっていると明かした。特に、男性器を床にこすりつけて圧迫する自慰行為"床オナ"の刺激に慣れてしまうことが、その原因の一つとみられているという。北村所長は「さまざまな文献を探しても他国での報告は見かけず、日本特有の問題ではないか」との見方を示した。

 自慰行為で主として使用する題材は、女性が「想像のみ」としたのが48.5%と約半数だったのに対し、男性は10.8%にとどまり、パソコン59.4%、テレビ(DVD含む)18.8%、スマートフォン8.3%の順となった。スマートフォンは20歳代の男性で22.2%、女性で47.1%に上った。北村所長は「われわれの時代は8ミリフィルムやビデオが主流だったが、自慰行為の"オカズ"にもIT化の波が押し寄せている」と述べた。

避妊の主導権を男性に委ねる傾向か

 避妊の実態についても、日本特有と見られる傾向が浮き彫りになった。コンドームに関する質問では、男女の半数近くが確実な避妊法として使用していた。2番目に多い答えだったのは性感染症予防だが、その割合は女性の14.6%に比べて男性が25.5%と意識に差が見られた。

 コンドームの用意を誰がするのか尋ねたところ、男性の80.9%、女性の70.7%が「主に男性」と答えた。北村所長は、欧米などでは避妊薬や避妊用具の選択肢が広く、女性の使用頻度が高い点に触れ、「日本は避妊を男性に委ねる不思議な国なのではないか」と首をかしげた。

 最後に北村所長は、セックスレスが少子化問題に大きく影響していると訴え、「調査結果を踏まえ、正しい家族計画や適切な性生活の在り方を考える情報を提供し続けたい」と話した。

(編集部)

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