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冷やご飯の健康効果とは、長寿日本一の長野に学ぶ

 2016年02月04日 21:00

 長野県といえば、男女ともに平均寿命1位を誇る長寿県。今年はさらに、NHK大河ドラマ「真田丸」の舞台として大きな話題を呼んでいる。1月31日放送のTBS系健康情報番組「健康カプセル! ゲンキの時間」では、長野県をクローズアップ。冷たいご飯は実は体に良かったなど、真田幸村(信繁)と長野県民に学ぶ健康の秘訣(ひけつ)が紹介された。

秘密は「レジスタントスターチ」

 まずは、お笑い芸人「ザ・たっち」の2人が真田幸村の居城・上田城を訪ね、幸村の故事から現代にもつながる健康の秘密を探ることに。すると、関ケ原決戦前、東西両軍に分かれた幸村(当時は信繁)と兄・信幸が再会した際、信幸は別れ際、幸村に冷や飯をこねて中に味噌を入れた食べ物を渡したことが分かった。同様の食べ物は今も「こねつけ餅」として長野県民のおやつになっているのだとか。

 冷や飯は腹持ちが良いことから、昔は長旅や戦場で重宝された。しかも、岐阜大学食品栄養学研究室の早川亨志教授によると、ご飯に含まれるでんぷんが冷やされて変化した成分「レジスタントスターチ」は、通常のでんぷんより血糖値の上昇を緩やかにすることから、糖尿病や肥満の予防になるという研究結果もある。

 冷や飯というと敬遠されそうな気もするが、寿司やおにぎりもその一つ。また、レジスタントスターチを含む食品という点では、冷製パスタやサンドイッチ、ポテトサラダ、かぼちゃの煮物などでも似た効果が得られるという。ダイエットにも向いていると言えるだろう。

長寿の理由は土地柄にあり?

 続いて番組が取り上げたのは温泉。長野県は日本第2の"温泉県"だが、注目したのは炭酸泉だ。国際医療福祉大学大学院(栃木県大田原市)の前田眞治教授によると、炭酸ガスの小さな粒子が毛細血管に入り込むことで血行が促進され、新陳代謝が活発になり、傷の治療や疲労回復、肩凝りや冷え性に効果があるという。

 実際に温泉に行かなくとも、自宅の風呂で炭酸系の入浴剤を使えば効果は得られるとのことなので、気になる人は試してみては? その際、38度程度のぬるめのお風呂に15~20分ほど入浴するとよいそうだ。

 また、長野県の長寿の秘密を研究している白澤抗加齢医学研究所(東京都千代田区)の白澤卓二所長は、高地が多い長野県の地域性に注目した。例えば、細胞内の器官であるミトコンドリア。細胞内の酸素を使ってエネルギーを生み出すのだが、酸素濃度の低い場所ではミトコンドリアが活性化するのだとか。そのため、高地が多い長野県では細胞レベルで健康が維持できているという。

 実際、"世界三大長寿地域"と呼ばれるエクアドル・ビルカバンバ、パキスタン・フンザ、旧ソ連コーカサス地方は、全て標高500メートル以上の高地にある。高地に住んでいない人でも、登山やスキーなどで標高の高い場所に行けば同じ効果が得られるそうだ。

食習慣がもたらす長寿と健康

 番組は最後に、リンゴや野沢菜、そばなど長野県の特産物にスポットを当てた。白澤所長は、リンゴには皮の直下にポリフェノールがあるので皮ごと食べた方がよいとアドバイス。また、発酵食品の野沢菜には、高血圧を予防する効果や腸内環境を整えて免疫力を高める効果もあると説明。さらに、そばは抗酸化作用を持つルチンのほか、ビタミンB群や食物繊維などさまざまな栄養素を含む健康食品の代名詞とも言える食品と紹介した。

 こうして数々の健康の秘密を目にした司会の三宅裕司さんは、「良いことばかり。東京にいるのが嫌になっちゃうね」と思わず愚痴が出るほど、長野県の長寿日本一の理由に感心していた。

 次回の2月7日放送では「病気につながる恐ろしい乾燥」をテーマに、保湿効果アップの簡単ケアの方法、"乾燥県"群馬で見つけたぷるぷるお肌の秘訣が紹介されるという。

(萩原忠久)

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