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禁煙成功の近道は「徐々に」よりも「一気に」―英研究

 2016年03月25日 06:00

 喫煙者への風当たりも強いこの頃、そろそろやめようかと思っている人も少なくないのでは? そうした禁煙を目指す人が選びがちなのが、「いきなりやめるのはつらそうだから、少しずつ本数を減らして最終的には禁煙」という方法。しかし、禁煙の成功率は、そうした徐々に本数を減らす「減煙」よりも、一気にやめる「断煙」の方が有効なことが、英国の研究から分かった。詳細は米国内科学会誌「Annals of Internal Medicine」(電子版)に掲載されている。

国内外の指針でも「一気に」を推奨

 国内外の医学的な禁煙指導のガイドライン(指針)では、徐々に本数を減らす「減煙」よりも一気にやめる「断煙」をすべきとしたものが多い。日本呼吸器学会発行の冊子『タバコについて考えてみませんか?』にも、「気持ちに踏ん切りをつけ、きっぱり断煙する。本数を減らす方法は失敗のもと」とある。とはいえ、実際に最初からきっぱりやめるのは、喫煙者にとってかなりハードルの高いものだろう。ここは無理をせず、徐々に本数を減らしながら最終的に禁煙できれば...と考える人も多いはずだ。では、「減煙」と「断煙」のどちらが優れているのか、過去の研究からは一定した結果が得られていないという。

 リンドソン=ホーリー氏らは今回、英国に住む禁煙したいと考えている男女697人(年齢中央値49歳)を、「禁煙開始日」に向け、2週間かけて少しずつ本数を減らしていく「減煙グループ」と、一気に禁煙する「断煙グループ」のいずれかに分け、禁煙の成功率を比べた。なお、どちらのグループもニコチンパッチなどの禁煙補助薬を使えるようにしたほか、看護師が行動面について助言した。

禁煙挑戦者を増やすには「減煙」も必要か

 その結果、禁煙開始日から4週間がたっても禁煙を続けられていた人の割合は、減煙グループの39.2%に対し、断煙グループでは49.0%と高かった。さらに、6カ月後も禁煙を続けられていた人の割合も、それぞれ15.5%、22.0%で断煙グループの方が高かった。

 この成績を踏まえ、リンドソン=ホーリー氏らは「長期的な禁煙に導くには、徐々に本数を減らすよりも、一気に禁煙する方が効果的なことが分かった」と結論。ただ、「徐々に減煙する禁煙方法も選択肢として残っている方が、禁煙を試みる人が増える可能性もある」とし、こうした減煙をどのようにサポートすれば禁煙成功率を高められるかについても今後検討していくべきとの見解を示している。

(あなたの健康百科編集部)

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