更年期に手指の不調ーメノポハンド

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 更年期(メノポーズ)には女性ホルモンのエストロゲンが減少する影響で、手指の痛みやしびれ、関節の変形に悩まされることがある。日本手外科学会はこうした手指の不調を「メノポハンド」と名付け、対策を呼び掛けている。

▽放置で変形に至る

 エストロゲンは血管を拡張して手指の血流をよくし、関節の内側を覆う滑膜を保護している。和歌山県立医大付属病院(和歌山市)整形外科の下江隆司講師は「手指の不調で受診する患者さんの大半が50代前後の女性です。エストロゲンの急激な減少に伴い滑膜が腫れて内圧が上昇し、関節の骨と骨が向き合う面を覆う軟骨同士がぶつかって関節の痛みや腫れが出ると考えられます」と話す。

 メノポハンドの原因として多いのは、手の変形性関節症(指の第1関節に腫れと痛みが出る「ヘバーデン結節」や親指の付け根が痛む「母指CM関節症」など)。他にけんしょう炎の一種である「ばね指」、代表的な神経障害で親指から薬指の半分までが強くしびれる「手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)」などもある。

 「更年期の手指の関節の腫れやこわばり、痛み、しびれなどを放置すると、やがて変形に至る場合が多く、またこれらの症状は関節リウマチなど急いで治療すべき病気の可能性もあるため、軽症のうちに整形外科や手外科専門医への受診を勧めます」

▽薬や装具を主に使用

 手の変形性関節症の診断は、視触診やレントゲン検査の他、血液検査や追加の画像検査を行う場合もある。治療は、消炎鎮痛薬の湿布、塗り薬と、患部の安静を保つ装具を主に使用し、痛みが強い場合は内服薬やステロイドの関節内注射、症状が重い場合は手術も検討する。

 「関節のつらい症状を和らげて手の機能の改善を図ります。就寝時に着ける装具、ヘバーデン結節用のリング型装具、エストロゲンと似た作用があるサプリメント(エクオール)など、予防や治療の選択肢も広がっています」。サプリメントと一部の装具には健康保険は適用されない。

 「メノポハンドは、エストロゲンが急激に減少する産後や授乳期に手指の不調があった人の他、家族に手指の変形がある人や肥満など生活習慣病がある人も要注意です」

 一般的に更年期を過ぎると痛みは落ち着く。下江講師は「老化だからと我慢せず、変形が進行する前に治療やケアを始めてほしい」と助言している。(メディカルトリビューン=時事)

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 和歌山県立医大付属病院の所在地 〒641―8509 和歌山市紀三井寺811番地1 電話073(447)2300

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