5年ぶりに改訂された厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2025年版)で、食物繊維の推奨摂取量の目安は従来よりも1グラム多い1日25グラム以上となった。食物繊維摂取の減少傾向が続く中、大妻女子大大学院人間文化研究科(東京都千代田区)の青江誠一郎教授に効果的かつ経済的な取り方を聞いた。 ▽主食抜きは太りやすく 食物繊維の平均摂取量は男性が18.8グラム、女性が16.9グラム(2023年の国民健康・栄養調査)にとどまる。この背景について、「ご飯抜きや糖質ダイエットなどが流行し、穀物由来の主食を3食しっかり食べなくなったことが影響している」と青江教授は指摘する。 かつて日本人は食物繊維の5割弱を主食(穀物)から取っていたが、現在は2割程度。「ダイエットのために炭水化物を抜くと、食物繊維の摂取量も減り、逆に太りやすい体質になります。食物繊維が不足すると腸内細菌のバランスが崩れて腸内環境が悪化し、肌や肝臓、脳にまで影響が及ぶ可能性があります」 食物繊維を無理なく効率的に取る鍵は、今の食事に7~8グラム足すこと。白米をもち麦や玄米など、色の付いたご飯に変えるだけで約2~4グラム増やすことができる。パン好きな人は、ライ麦パンや全粒粉パンなどに変えれば1食でプラス3グラムが可能という。 ▽豆や海藻類を副菜に 青江教授は▽欠食せず、毎食必ず主食を食べること▽納豆や枝豆などの豆類や海藻類、根菜類などの副菜を1日の食事で2品追加すること」を提案する。 「もち麦ご飯に納豆を掛けて食べれば、1食で8グラム摂取できます。サラダに海藻類や豆、ナッツ類を入れたり、おからやきんぴらごぼうを副菜に添えたり、今の食事を一部置き換えるだけで25グラムは達成できるでしょう」 色付きのご飯に抵抗がある場合はゆでた大麦を冷凍し、必要な分だけ解凍して白米に混ぜたり、スープに入れたりすると食べやすい。 米の価格高騰の折、もち麦を白米に混ぜて炊けば経済的なメリットもある。食物繊維が腸内細菌を増やして腸の働きを活発にする。 「日本食の良さは主食を取ること。特に、腸の活動がリセットされる朝食は重要です。腸や体に起きる良い変化を楽しみに、まずは主食を色の付いた穀物に変えるなど、できることから実行を」と青江教授は助言する。(メディカルトリビューン=時事)。 ◇ ◇ 大妻女子大大学院の所在地 〒102―8357 東京都千代田区三番町12 電話03(5275)0404(代表)