がんは中年から高齢者が罹患(りかん)するイメージがあるが、若年層でもがん、とりわけ大腸がんが増加傾向にある。わだ内科・胃と腸クリニック(大分市)の和田蔵人院長は「若い人でも大腸がんにかかることもあります」と指摘する。 ▽気付かないうちに進行 大腸がんは、大腸(結腸と直腸)の表面の粘膜から発生する悪性腫瘍を指す。初期は無症状のことが多いが、進行すると血便や腹痛、体重減少などの症状が表れ、さらに進行すると肝臓や肺、脳など他の臓器に転移することも。気付かないうちに進行していることもある。 国立がん研究センターによると、日本人のがん罹患数は部位別で大腸がんが最多(2021年)、死亡者数(23年)は2番目に多い。内視鏡や便潜血検査などの向上や、啓発活動の広がりに伴い、中高年での早期発見は進展している。一方、50歳未満では、国内外ともに大腸がんが増加している。 こうした若年層の大腸がんは進行してから発見されるケースも少なくないため、診断が遅れやすい。原因については、「はっきりとしたことは分かっていませんが、生活習慣や食生活の乱れなどが挙げられます」と和田院長。 ▽医師と相談し治療法決める 治療は、進行度(ステージ)や全身の状態によって決まる。最も基本的なのは外科的治療で、早期の場合、内視鏡を用いて、病変部位を切除・剥離することが可能だ。必要に応じて、手術前後に薬物療法や放射線療法になることもある。また、がんを完全に治療し、再発や転移がない状態にすることが難しい場合は、症状の緩和や生活の質(QOL)向上を目的に緩和治療が行われるケースもある。 「治療法にはさまざまな選択肢があります。状況を踏まえつつ医師と相談し、治療方針を決定しましょう」 発症を防ぐために、食物繊維を多く含む野菜や果物を取り入れたバランスの良い食事を心掛けたい。適度に運動する、飲酒や喫煙を控えることなども重要だ。 生活習慣の見直しに加え、「40歳を過ぎるとリスクは高まるので、症状がなくても定期的に検診を受けてください」と和田院長。「便潜血検査は年1回、大腸内視鏡検査も数年に1度は受けるようにしましょう」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事) ◇ ◇ わだ内科・胃と腸クリニックの所在地 〒870―0945 大分市津守176の1 電話097(567)5005