長年にわたり紫外線を浴び続けることで発症する皮膚の病気「日光角化症」。「治療せずに放置すると、一部は皮膚がんに進行する可能性がある」と兵庫県立がんセンター皮膚科(兵庫県明石市)の高井利浩部長は注意を促す。 ▽色白の人は要注意 皮膚の最も外側にある表皮は厚さの平均が約0.2ミリメートルと薄いが、外部からの刺激や異物の侵入を防ぐ役割を担っている。 長年、紫外線にさらされることにより、表皮細胞の90%程度を占めるケラチノサイト(角化細胞)の遺伝子に傷が付き、細胞の自己修復が追い付かなくなると、増殖や分化に異常が生じて、日光角化症を発症する場合がある。若くても50代頃からで、主に高齢者に多い。 「顔や頭、耳、唇、肩、首、手の甲や前腕など、紫外線にさらされやすい部位に発症します。表面はざらざら、かさかさしたかさぶた状で、赤みがかっていたり、硬く盛り上がったりしていることもあります」。かゆみなどの自覚症状はほとんどなく、色はピンク色や黄色、褐色などさまざま。大きさは数ミリから2センチ程度。 「夏場のレジャーなどで日光浴をする人よりも、一年を通して紫外線にさらされている人に発症しやすい皮膚疾患です。特に長年にわたり紫外線を浴びている農業や漁業に従事する人、日に当たるとすぐに皮膚が赤くなるような色白の人は注意が必要です」 ▽紫外線対策と早期受診 予防や対策としては、適切な日焼け止めの使用と、日傘などで紫外線を遮ることが望ましい。日光角化症を気にするあまり、日光を避けてビタミンD不足に陥るのは問題だが、「通勤や通学、買い物など日常生活で外出時に日光を浴びていれば、それほど心配する必要はないでしょう」。 気になる症状があれば、皮膚科医に相談を。「別の診察のついででもよいので、日光角化症かどうか聞いてみるとよいでしょう」。治療は塗り薬のイミキモドが主体となるが、状態によっては液体窒素を用いた凍結療法や、局所麻酔を用いた上で切除する外科手術などが行われる。 「高齢だからと放置せず、気になる皮膚の変化があれば迷わず皮膚科を受診してください。皮膚がんに至る前に、塗り薬で改善できれば、それに越したことはありません」と、高井部長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事) ◇ ◇ 兵庫県立がんセンターの所在地 〒673―8558 兵庫県明石市北王子町13の70 電話078(929)1151