発熱時は要注意―夢遊病

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 睡眠中に突然起き出して歩き回るなどする夢遊病。医学用語で「睡眠時遊行症」といい、未就学児から小学生くらいの小児期に多く見られるが、青年期や成人で発症するケースも。太田睡眠科学センター(川崎市)の加藤久美医師に話を聞いた。

▽寝不足や環境ストレス

 夢遊病は、「いわゆる『寝ぼけ』の状態です」と加藤医師は説明する。似たような睡眠障害に睡眠時驚愕(きょうがく)症があるが、「驚愕症は起き上がって悲鳴を上げるのが特徴で、遊行症のように歩き回ったりはしません」。

 いずれも深い睡眠(ノンレム)状態から完全に覚醒していない点は共通する。そのため、「本人は翌朝目覚めても覚えていないケースがほとんどです」。完全に覚醒していない状態とはいえ、夢遊病では階段を上り下りしたり、玄関や窓の鍵を開けて外に出ようとしたり、トイレ以外の場所で排尿するなどの不適切な行動が起きることも。

 要因は睡眠不足や環境ストレスとされる。環境ストレスとは、旅行や合宿など普段とは異なる環境で寝るような場合を指す。「いびきや睡眠時無呼吸がある場合は、それらの治療を行うことで夢遊病が出なくなるケースもあります」

 遺伝要因も指摘されており、両親のいずれにも夢遊病の経験がなければ子供が発症する確率は22%だが、片方の親に経験があれば45%、両親ともに経験があれば60%との報告がある。

▽十分な睡眠と見守りを

 小児期から青年期にかけて発症しやすく、成長に伴い自然に症状が出なくなるケースが大半という。「ただ、頻繁に症状が出たり、いびきや無呼吸があったりするようなら、早めに小児科または睡眠専門医を受診しましょう」。まれにてんかん発作の症状として夢遊病が表れるケースもあるため、神経内科や精神科を受診するのもよいという。

 規則正しい生活習慣と十分な睡眠を心掛けることが大切。同居する家族などは「焦らず、温かい目で見守ってあげることが大切です。危ないようなら、優しく声を掛ける程度にとどめましょう。発熱時は症状が出やすい傾向があるので、同じ部屋で寝起きすることも対策の一つです」と加藤医師はアドバイスする。安全対策として窓やドアに補助錠や鈴など音の出るものを設置することも有効だという。(メディカルトリビューン=時事)

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 太田睡眠科学センターの所在地 〒210―0024 川崎市川崎区日進町1の50 電話044(244)0131(内線217)

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