原因に対処し、転倒を防ぐ―高齢者のめまい・ふらつき

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 高齢者のめまいやふらつきは日常生活の制約や転倒事故につながりかねない。順天堂大医学部付属順天堂東京江東高齢者医療センター(江東区)耳鼻咽喉科の池田勝久特任教授は「原因に応じて適切な治療や対策を行うことが、偶発的な転倒を防ぐと期待されます」と話す。

▽加齢でバランス障害

 人は目、耳、足の裏で感知した情報などを基にバランスを保っている。例えば、耳の奥にある三半規管などの平衡感覚器(前庭)が、「頭が動いた」といった情報を捉え、脳に伝えている。目、耳、足の裏の感覚のどれかが異常を来すと、脳が混乱してめまいやふらつきを感じる。

 池田特任教授によると、寝起きや寝返りなど、頭を動かしたときに生じるのは、平衡感覚器が原因の「良性発作性頭位(とうい)めまい」が多いという。頭がくるくると回転するようなめまいだ。

 高齢者には、加齢による平衡感覚器の障害などが原因となる。「ゆっくりと進行する持続性のふらつき感、姿勢や歩行の不安定性、転倒などが特徴です」

 転倒事故を起こす割合は年間で、在宅高齢者の10~25%、施設入居者では10~50%という研究報告もある。

▽女性が2倍以上

 東京江東高齢者医療センターでは、加齢性の平衡障害の患者に対して2泊3日の入院プログラムを行っている。

 まず、筋肉量や体脂肪、平衡機能、睡眠時無呼吸、視力、認知機能、血管の硬さ、呼吸機能などを調べる。その後、感覚器を刺激するような運動で脳に学習させる平衡訓練、筋力低下を防ぐための栄養指導を実施する。

 2021年12月~24年1月に同プログラムに参加した164人の平均年齢は80.5歳、女性患者が男性の2.4倍だった。

 93%に当たる153人は、基礎疾患として前庭機能低下、加齢で筋肉が減少する「サルコペニア」または心身の衰えの「フレイル」、気道がふさがって一時的に呼吸が止まる「閉塞性睡眠時無呼吸」があり、ふらつきや不安定な歩行の原因とみられる。

 高齢者のふらつきと不安定な歩行は、「さまざまな原因が単独または複合的に関わっていたことが分かりました。一人ひとりに適した治療が必要です。運動や食事療法を地道に続けることを基本にしましょう」と池田特任教授は呼び掛ける。(メディカルトリビューン=時事)

   ◇   ◇

 順天堂大医学部付属順天堂東京江東高齢者医療センターの所在地 〒136―0075 東京都江東区新砂3の3の20 電話03(5632)3111(代表)

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