サウナのリスク―安全に楽しむには?

近年、健康志向やリラックス効果を目的にサウナ人気が高まっている。一方で、高温と冷却を繰り返す「温冷交代浴」によって脳や心臓に負担をかける危険があるという。東京都市大人間科学部(東京都世田谷区)の早坂信哉教授に、安全に楽しむための入り方と注意点を聞いた。
▽高温と強冷却に注意
高温のサウナ室と冷水風呂を交互に利用する方法が広まっているが、急激な温度差が血圧変動を招き、脳や心臓への負担につながる恐れがある。自覚症状がなくても、体内では循環機能に強い刺激が加わる場合がある。
血圧はサウナ室に入るといったん上がり、慣れると下がるが、その後の冷水浴で再び急上昇する。特に冬季は水温や外気温が低下し、ヒートショックの危険が高まる。「温度差による血圧変動が脳出血や心筋梗塞を引き起こすことがあります。高齢者では特に注意が必要です」と早坂教授は警鐘を鳴らす。
利用中の体調不良や事故の報告も少なくない。消費者庁は昨年6月、入浴施設での「意識障害」「心臓発作」が報告されているなどとして注意喚起した。福島県郡山地方広域消防組合の報告でも、入浴やサウナによる救急搬送の約7割を60代以上が占めることが分かっている。
▽温度と入り方を工夫
サウナの温度も重要だ。現在流行している80~90度の高温サウナや10度台の冷水風呂の交互利用は刺激が強く、血圧変動を起こしやすい。「体への負担を抑えるには、60度前後のサウナや40~50度のミストサウナなど、穏やかな温度設定を選ぶのが望ましい」。水風呂は25~30度程度が適切で、いきなり全身を漬けず、手足から徐々に慣らすのが安全だという。
最近注目される「整う」という感覚については、高温と冷却で交感神経が刺激された後、副交感神経が急激に強く働くことによる反動と考えられている。
「サウナは正しく利用すれば血流改善やリラックス効果が得られますが、入り方を誤れば事故につながります。これからの季節は温度差を小さくし、体に優しい入り方を意識して楽しんでほしい」と呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)
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