口の中の白い病変―白板症
口内にできる白い斑状の病変「白板症(はくばんしょう)」。放置すると1割程度が口腔(こうくう)がんに進行する可能性がある。愛媛大医学部付属病院歯科口腔外科・矯正歯科の内田大亮教授に話を聞いた。
▽喫煙や飲酒が原因
白板症は口腔粘膜、特に頬の内側や舌、歯茎に見られる白い病変で、歯ブラシでこすっても落ちないのが特徴だ。「医学的には口腔潜在的悪性疾患と呼ばれ、がん化の可能性がある前がん病変の一種です」と内田教授。痛みを伴うことは少なく、発生部位は舌が最も多く、次いで歯茎だ。
原因は喫煙と飲酒による刺激。白板症についてのデータはないが、口腔がんでは1日の喫煙箱数に喫煙年数を掛けた累積喫煙指数が60を超える喫煙者や、日本酒換算で1日2合以上飲む人でリスクが高まるとの報告がある。さらに、「とがった歯や合わない入れ歯で粘膜が長期間傷つくことでも発症することもあります」
類似疾患の「紅板症(こうばんしょう)」は、鮮やかな赤色の病変が口内に出現する。「がん化する可能性が高く、白板症より危険です」と警鐘を鳴らす。
▽定期的な受診を
予防の基本は禁煙と節度ある飲酒。とがった歯や合わない入れ歯は早めに治療したい。口内に白い病変があり、ガーゼで拭いても取れない場合は早めにかかりつけの歯科受診を勧める。「2週間以上治らない口内炎も要注意です」
白板症の診断があれば、経過観察か外科的切除を検討する。口内炎用ステロイド軟こうで改善する場合もあるが、経過観察の場合でも「3~6カ月ごとの定期受診は必ず守ってください」。同院では、がん化に関わる遺伝子変異の有無を調べ、経過観察か切除かを判断する方法を取り入れている。
「口腔がんになると切除がうまくいっても、術後に食事や会話に支障が出る場合もあり、生活の質が低下します。予防が最も重要で、異常を感じたら早めの受診を」と内田教授はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)
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