入院患者のメンタル支援―地域型リエゾン精神医療
身体の病気で入院中の患者が抱える精神的、心理的な問題をケアするため、精神科医が中心となり各診療チームと連携して支援を行う「リエゾン精神医療」。
近年、活動の場は病院内だけでなく地域へと広がっている。こころのホスピタル町田(東京都町田市)地域医療部の山形弘隆部長(精神科医)に話を聞いた。
▽医療者の支援も担う
リエゾンは「連携」「橋渡し」を意味するフランス語。手術後に意識がもうろうとする「せん妄」、認知症に伴う幻覚や妄想、抑うつなどに対し、精神科医が身体疾患の医療チームと協力して対応する。
身体疾患を専門とするチームだけでは精神症状に十分な対応ができず、治療に支障が出る場合がある。「精神科医が勤務する一般病院は少なく、入院中に精神症状が出ても院外の専門医に直ちに相談するのは難しく、診てもらえないことが多いのです」と山形部長。
リエゾン精神医療では、症状が身体疾患や治療に伴うものかを見極め、必要に応じて薬物治療を提案し、生活リズムの改善や病室環境の調整も行う。また、精神症状への対応に苦慮する診療チームの心理的負担を軽減するため「医療者の相談や教育を担うのも重要な役割となっています」。
▽地域で支える医療へ
もともと、リエゾン精神医療は一つの医療機関での入院患者の精神症状への支援が中心だった。しかし、「超高齢社会を迎え、病院だけで対応するだけでは難しく、地域のクリニックとの連携が不可欠です」。
同院では、2022年5月から「地域型」リエゾン精神医療を開始。同院の訪問診療部門や近隣の訪問診療クリニック、急性期病院と提携し、身体疾患に合併する精神症状への対応を医療機関の壁を越えて支援するなど、地域医療の橋渡しを行っている。患者家族だけでなく医療スタッフからの信頼も厚いという。
「さらに高齢化が進む中、精神症状を抱える身体疾患患者は増えるでしょう。地域で人々が支え合う古き良き日本の在り方が見直されつつあるように、医療も地域で支え合うことが重要です。医療者だけでなく、医療サービスを利用する多くの人たちにも連携の重要性への理解を深めてもらいたい」と、山形部長は呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)
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こころのホスピタル町田の所在地 〒194―0201 東京都町田市上小山田町2140 電話042(797)0957











