進化する血糖管理―経皮的持続血糖モニタリング
糖尿病治療では、日々の血糖変動を把握することが重要だ。最近は、自己血糖測定(SMBG)に代わり、皮膚に装着したセンサーで血糖値を連続して測定できる「経皮的持続血糖モニタリング(CGM)」の利用が増えている。東京予防クリニック(東京都港区)の村上友太院長は、「血糖値の『見える化』で効果的な自己管理につなげられます」と話す。
▽詳細な血糖データ
糖尿病治療では、血糖値を適切な範囲で維持することが、合併症予防の鍵となる。そのためには、単なる平均値ではなく、日々の変動パターンを把握することが重要だ。
従来はSMBGが主流で、一定のタイミングで指先から採血して測定していた。測定のたびに針を刺す必要があるため、「痛みを伴うだけでなく、その時点の値しか分からず、血糖変動の全体像をつかみにくいのが課題でした」と村上院長。
そこで注目されているのがCGMだ。腕や腹部に十円玉程度の小型センサーを装着し、皮下組織液中のブドウ糖濃度が数分ごとに測定される仕組み。これで、過去1~2カ月の平均血糖値を示すヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)やSMBGでは分からない、一時的な高血糖や低血糖、血糖変動の幅まで把握できるようになった。
「CGMで得られる詳細な血糖データは、薬の量や投与タイミング、食事や運動の調整など、治療方針をより適切に決めるために役立ちます」
▽AIの活用も
CGMは血糖値を持続的に測定できる一方、低血糖域や高血糖域で誤差が出る場合がある。「血糖値補正のためのインスリン投与を行う際は、一度SMBGでも血糖値を確認することが重要です」と村上院長は注意を促す。
近年のCGMは、スマートフォンやクラウドと連携でき、AI(人工知能)の活用も可能だ。AIが血糖データを解析し変動の傾向を示したり、低血糖や高血糖を予測して知らせたりできる。さらに、生活習慣や治療を改善する提案もできる。
「将来的には、必要な量のインスリンを自動で体に入れる『インスリンポンプ』と組み合わせて、自動で投与量を調整する人工膵臓(すいぞう)システムへの発展も期待されます」と村上院長は述べる。(メディカルトリビューン=時事)
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