災害時の食と排せつ―日ごろから備えを
災害時の避難生活では「食」と「排せつ」が重要だ。宇都宮大(宇都宮市)の坪山宜代客員教授(災害栄養研究)は「災害時こそ水分をしっかり取り、食べて、出すのが大切。そのためには日常からの備えが欠かせません」と話す。
▽おかずも食べる
災害発生直後は食事の量、質ともに不足し、低栄養が懸念される。避難所などで提供される食事は、冷たいおにぎりや菓子パン、カップ麺など炭水化物中心で、野菜や肉、魚、乳製品などの生鮮食品は手に入りにくい。たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維の不足が顕著だ。
「口内炎はビタミンB2などの不足、便秘は水分や野菜、食事量の不足のサインかもしれません。レトルトや缶詰など主菜となる食品を備蓄し、主食だけでなくおかずもしっかり食べましょう」
体力維持にはエネルギー摂取が不可欠。食欲がなくても温かい食事なら喉を通ることもあるため、カセットコンロなど簡易調理器具の備えも有効だ。
▽長期化で肥満も
坪山客員教授らの調査では、避難生活が長期化すると、偏った食事により肥満や虫歯、生活習慣病が悪化する可能性が示されている。東日本大震災被災者4410人を対象にした調査では、魚介類の摂取頻度が高い男性ほど、被災2年後の肥満発症率が低いことが判明。特に、仮設住宅で暮らす男性でこの傾向が顕著だった。
「災害時の食習慣が長期的な健康に影響することを知ってほしい」
避難生活では、清潔なトイレが使えない不安から、水分や食事を控える人は多いが、脱水症や体調不良、災害関連死などのリスクも高まると言われている。「食べることをためらわないで済むよう、携帯トイレなど『出す場所』も水や食料と一緒に備えておきましょう」
黒いビニール袋にペット用トイレシートを入れ、便器やバケツにセットすれば、簡易トイレとして使える。「吸水だけでなく防臭、抗菌効果もあり、袋を閉じれば臭いを軽減できます。備えておくと安心です」と坪山客員教授は助言する。(メディカルトリビューン=時事)
◇ ◇
宇都宮大(陽東キャンパス)の所在地 〒321―8585 宇都宮市陽東7の1の2











