CO2濃度が睡眠の質に影響―寝室の換気に注意
睡眠は、量だけでなく質も大事だとされている。早稲田大スマート社会技術融合研究機構(東京都新宿区)の秋元瑞穂研究助手らは、睡眠と寝室内換気に関する国内外の研究データを整理、分析し、寝室内の二酸化炭素(CO2)濃度が1000ppm以上になると、睡眠の質が低下することを確認した。
▽空気の質をCO2濃度で
これまでの研究では、睡眠の質を低下させる要因は、生活リズムの乱れ、ストレス、多量飲酒や睡眠時無呼吸症候群などに加え、寝室の明るさ、騒音、温度、湿度などの他、空気の質が関係することも分かってきた。
室内の換気状況を簡易に評価できる指標には、CO2濃度がある。寝室内のCO2濃度と睡眠の質の関係を調べた最近の研究の多くで、CO2濃度が高いと睡眠の質が低下することが分かっている。ただし、「研究によって指標や、換気条件の設定方法などがばらばらで、統一的な見解を出すことが困難でした」。
▽寝室ドアを少し開ける
秋元助手らは、2020年1月~24年8月までに発表された17件の研究成果を分析した。
その結果、寝室内のCO2濃度が高くなると睡眠の質が悪くなることが確認された。具体的には、寝室内CO2濃度が1000ppm(空気中の0.1%)以上になると、睡眠効率(寝床にいた時間のうち、実際に眠っていた時間の割合)や深い眠りの割合が低下した。
秋元助手は「比較対照された条件の中で最も高い濃度は850ppmであり、CO2濃度測定装置の誤差を考慮に入れると、800ppm以下が暫定的な目標になります」と提言する。また、この目標を達成するには、現在の住宅換気基準の少なくとも2倍の換気量が必要と推計している。
現状で、寝室のCO2濃度を安全域で保つには、シックハウス症候群対策として建築基準法が一部改正された03年以降に建てられた住宅では、設置された24時間換気システムを常時稼働させることが重要だという。
「法改正以前に建てられた住宅で、寝室の換気が悪いと、CO2濃度が朝方かなり高くなると予想されます。寝室のドアを少し開けておく、浴室やキッチンの換気扇を回しておくなどの工夫をするとよいでしょう」と秋元助手はアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)
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