痛風だけじゃない―高尿酸血症のリスク
健康診断で尿酸値の高さを指摘されると、まず思い浮かぶ「痛風」。命に直結する病気ではないとの認識から軽視されがちだが、尿酸値が1デシリットル当たり7.0ミリグラムを超える「高尿酸血症」を放置すると、動脈硬化や心筋梗塞などの危険が高まることが近年、分かってきたという。
▽自覚症状ない
松江市立病院(松江市)痛風・高尿酸血症外来の久留一郎病院長は「尿酸は、プリン体という物質が肝臓で分解される際にできる最終代謝産物です。プリン体は新陳代謝に不可欠で、約8割が体内で作られ、残り約2割を食事から摂取します」と話す。
プリン体を多く含む食品には、レバーや白子、一部の魚介類、ビールなどのアルコール類がある。尿酸は腎臓でろ過され、大半が尿として排出されるが、プリン体の過剰摂取や体内生成の増加により高尿酸血症になることがある。
高尿酸血症は自覚症状がないのが特徴。水に溶けにくい尿酸は、体温が低く血流が乏しい関節や腎臓、血管などで針状に結晶化(尿酸塩結晶)することがある。
「尿酸塩結晶は痛風発作や痛風結節、痛風腎の原因となります。尿中に過剰に排出されると尿路結石が生じ、激しい腰痛や腹痛、血尿を引き起こします。最近では、動脈内に沈着して血管内痛風を起こし、動脈硬化を進めることも分かっています」
▽尿酸値を下げる方法
高尿酸血症のうち、痛風発作がない無症候性高尿酸血症は約7~8割を占め、脳梗塞、虚血性心臓病、心不全、心房細動、慢性腎臓病などを合併するケースも。「肥満やメタボリック症候群の人は特に高尿酸血症のリスクが高く、脳、心血管、腎の障害リスクも高まります」
久留院長は予防と改善のため、〔1〕肥満の改善〔2〕節酒〔3〕食生活の改善〔4〕十分な水分摂取〔5〕運動の習慣化―を挙げる。
「肥満の人は体重の3%を2カ月程度で減らす。アルコールは1日20~25グラムまでにとどめる。尿酸値の低下が期待できる牛乳やヨーグルトを取る。尿量が1日2リットル以上になるよう水分を取る。有酸素運動を行う。それでも尿酸値が基準を超えていたら内科を受診しましょう」
尿酸値が高い状態を放置すれば、脳心血管疾患を招きかねない。久留院長は「高尿酸血症や痛風の治療は続けるのが大事。早めに対策を始めてほしい」と呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)
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