10代の2人に1人が「滑舌の悪さ」「食べこぼし」など口の機能の問題を経験していることが、2022年に日本歯科医師会が実施した全国調査で明らかになっている。山口県歯科医師会(山口市)の小山茂幸会長は「口腔(こうくう)機能の発達が不十分な子どもが増えている」と警鐘を鳴らす。 ▽幼児に多い丸のみ 山口県歯科医師会が県内の保育所、幼稚園、認定こども園など303施設を対象に行った調査では、「硬い物が食べられない」「かみ砕いた食べ物を飲み込めない」「日中、無意識に口をぽかんと開けている」など、子どもの口腔機能の低下を懸念する声が施設関係者から多数寄せられた。 園に通う子どもの保護者を対象としたアンケート(複数回答)でも、「無意識に口をぽかんと開けている」(30.4%)、「言葉の発音がはっきりしない」(15.9%)、「食べ物を早く食べる」(30.1%)などの回答があった。 口が無意識に開いてしまうのは、口の周りの筋肉や舌の力が弱く、舌が本来あるべき位置に上がらないためだ。「早食いが多いのは、食べ物をよくかまずに、お茶や水で流し込むなど丸のみしているからです」 子どもはかむことで口周りの筋肉を鍛えているが、「親が食べ物をスプーンで口の奥まで入れてしまうと、前歯でかみちぎる力や奥歯ですりつぶす力がなかなか育ちません」 ▽大人がかむ姿お手本に かむ力が未発達のままだと、舌の使い方や顎の筋力、骨の発達にも悪影響を与える。不明瞭な発音や歯並びの乱れ、かみ合わせなどの問題が生じやすくなり、将来の口腔機能の衰えを加速させる可能性もある。 「かめないからと軟らかい食べ物ばかりを与え、小さく刻むのは逆効果です。具材を少し大きめに切り、大人がよくかんで食べる姿を見せ、子どもの『まねしたい』気持ちを引き出しながら訓練しましょう」 山口県歯科医師会ではゲーム感覚で口腔機能の発達を促す冊子を作成し、昔ながらのおもちゃ「吹き戻し」を活用する取り組みを始めた。また、キシリトール入りの風船ガムを毎日2枚膨らませる訓練を年長児に2カ月間実施した結果、かむ力が増したという報告も。 子ども自身が、ゆっくりとよくかんで食べ物と唾液が混ざると飲み込みやすくなることを知ることも重要だ。「せかさず、子どもが楽しく、食事に集中できる環境を整えてあげましょう」と小山会長は助言する。(メディカルトリビューン=時事) ◇ ◇ 山口県歯科医師会の所在地 〒753―0814 山口市吉敷下東1の4の1 電話083(928)8020(代)