急な寒気と震え―悪寒戦慄

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 なんの前触れもなく、急に寒気を感じて体がぶるぶる震えたりする悪寒戦慄(せんりつ)。通常の風邪とは異なり、39度以上の高熱を発するケースが多い。東邦大医療センター大森病院総合診療・急病センター(内科)長の佐々木陽典教授に、その原因や対処法などについて聞いた。

▽多くは細菌感染

 通常の風邪でも寒気を感じることはあるが、悪寒戦慄の場合、「布団をかぶっても震えが止まらない」「奥歯ががたがた震える」などの特徴がある。

 原因の大半は細菌感染に伴う免疫反応だ。口や傷口、尿路などを介して体内に侵入した細菌が血液中に入り込むと、体は体温を急激に上昇させて細菌を追い出そうとする。

 体温調節は、脳の視床下部で行われている。「細菌の侵入により、体温を上昇させるよう指令が出ると、血管が収縮して体から熱が逃げるのを防ぎ、さらに筋肉を小刻みに震わせて熱を生み出そうとするため、体が震えるのです」と佐々木教授は話す。

 細菌感染で注意が必要な人は、免疫が低下している高齢者、子ども、妊婦、糖尿病患者、透析患者、肝硬変のある人など。インフルエンザウイルスによる感染でも悪寒戦慄は起こる場合がある。

▽血液培養検査を

 通常、20分前後で熱が上がり切れば、悪寒戦慄そのものは治まる。だが、本来は無菌であるべき血液中に入り込んだ細菌が増殖すると、菌血症という状態になる。菌血症は、心臓の弁膜や内壁に感染する心内膜炎や、全身に炎症が起きる重篤な敗血症を引き起こす危険性がある。

 「意識障害や呼吸の乱れなど全身状態が悪い場合は、迷わず救急車を呼んでください」。ただし、道路事情などで救急車の到着に時間を要するケースも考えられるため、タクシーや自家用車を活用することも視野に入れてほしいという。

 予防や対策としては、高齢者なら肺炎球菌ワクチンなどを接種しておくことや、普段から小まめな水分補給を心掛けてトイレを我慢しないことが挙げられる。

 「発熱の原因はさまざまですが、寒気が強い高熱の場合は、風邪と決めつけずに早めに医療機関を受診しましょう。特に高齢者や糖尿病患者の場合、菌血症の疑いもあります。細菌の種類を調べる血液培養検査が可能な救急病院が望ましいでしょう」と佐々木教授はアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)

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 東邦大医療センター大森病院の所在地 〒143―8541 東京都大田区大森西6の11の1 電話03(3762)4151(代表)

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