加齢で鼻水が喉に―加齢性後鼻漏
加齢に伴って鼻や喉が乾燥しやすくなり、鼻水が喉に流れる加齢性後鼻漏(こうびろう)。不快感や痛みを伴うこともあり、東京都健康長寿医療センター耳鼻咽喉科の鈴木康弘医長は「日常生活で困る場合は早めに受診を」と呼び掛ける。
▽喫煙習慣も原因
後鼻漏は、鼻汁(びじゅう=鼻水)が喉の奥に流れる状態を指す。鼻粘膜は粘液で保護され、加湿や加温、ほこりや細菌などの異物除去といった役割を担う。異物を排出する際に鼻から出るのが鼻汁、喉の奥へ流れるのが後鼻漏と呼ばれる。
「若い人や健康な人でも起こりますが、通常は自覚しません」と鈴木医長。しかし、高齢になると▽鼻粘膜の乾燥▽線毛機能の低下▽粘液の減少―が重なり、鼻汁に粘り気を帯び量も増えることで後鼻漏を自覚するようになる。
主な症状は、鼻の奥や喉の不快感、たんの絡み、せき、鼻水が落ちる感覚、口呼吸、口や喉の乾燥など。「受診者は60~70代の女性に多い印象です。喫煙習慣による線毛機能の低下も原因なので、若い喫煙者にも症状が出ることがあります」
▽生活改善と治療
痛みを伴い生活に支障がある場合は耳鼻咽喉科医に相談を。治療はアレルギー性鼻炎と同様で、点鼻薬や抗ヒスタミン薬、去たん薬などが用いられる。点鼻薬はステロイド性と非ステロイド性があり、症状や原因に応じて医師が選択する。
薬だけに頼らず、喫煙習慣の見直しも大切だ。室内の加湿も予防策になるが、窓が結露しないよう注意が必要。就寝時のマスクは口呼吸を招き逆効果になる場合がある。
「後鼻漏は診察で異常が見られないことが多く、受診しても『異常なし』とされる場合もあります。それでも症状が続く場合は、アレルギー疾患に詳しい耳鼻咽喉科の受診を勧めます」と鈴木医長。また、漢方薬の補中益気湯(ほちゅうえっきとう)が高齢患者に有効な場合もあるという。
「抗アレルギー薬による眠気を避けたい人はもちろん、体力が落ちている人、疲れやすい人にも効果的なことがあります。生活改善と合わせて医師に相談してください」と、鈴木医長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)
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