窓の補助錠が有効―転落事故を防ぐには

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 子どもが自宅などのベランダから転落する事故では、死亡や頭部外傷などの重篤なけがになる場合が多い。NPO法人Safe Kids Japan理事長で、産業技術総合研究所人工知能研究センター(東京都江東区)の大野美喜子主任研究員に聞いた。

▽3歳児も柵越え

 ベランダからの転落事故には多くの原因が絡み合っている。▽洗濯物を干すなど日常的に利用する▽子どもの身体能力は大人が思うよりも高く、成長すると手すりを乗り越えられる―などだ。

 同NPOの調査では、建築基準法施行令を満たす高さ120センチの柵を保育園の3歳児クラスの3人に2人が30秒以内に乗り越えた。5歳児の7割は、140センチの柵も越えた。

 対策としては、窓の近くやベランダに足場となる物を置かない、エアコンの室外機は柵から60センチ以上離して設置する、などがある。しかし、足場がなくても柵を乗り越える可能性を考えれば、「子どもが一人でベランダに出ない環境をつくることが根本対策です」。

▽補助錠設置は15%

 すぐできる対策は、ベランダの窓に、子どもが届かない高さに補助錠を設置することだ。ただし、東京都の調査では、12歳未満の子どもがいる家庭の補助錠の設置率は15%程度にとどまる。

 設置が少ない理由の一つには、自宅に適した物を選んで購入して取り付ける手間があるとみられる。実効性を上げるには、「保護者だけが対策を担うのではなく、社会全体で取り組むべき」と大野主任研究員。

 例えば、子どもがいる家庭に自治体が補助錠を配布する、場合によっては訪問して設置する、不動産会社やマンション管理会社は、物件に適した補助錠を提供する、といったことが挙げられる。将来的には、「人工知能を活用した防止策も期待される」という。(メディカルトリビューン=時事)

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