認知機能が良好―睡眠・活動リズム、適度に規則正しい人
日々の睡眠・活動リズムが規則正しい人は、認知機能が良好な状態にあるが、規則的過ぎると、脳機能を支える脳由来神経栄養因子(BDNF)の血中濃度を高める効果が弱まり、認知機能に対する好影響が十分に得られない可能性がある―。筑波大体育系・国際統合睡眠医科学研究機構(茨城県つくば市)の大蔵倫博教授らがこのような研究結果を明らかにした。
▽睡眠は量も質も重要
睡眠・活動リズムとは、一日の中でいつからいつまで眠り、活動しているかというパターンを示す。「規則正しい睡眠・活動リズムは、死亡率や心血管病のリスクを低下させ、認知症のリスクを抑えるとされています」と大蔵教授。ただ、これまでの研究は健康な人が対象で、認知症の発症前、例えば物忘れが目立ってきたと自覚するような段階の人で、睡眠・活動リズムの規則正しさが、記憶力や注意力などの認知機能に及ぼす影響については、ほとんど研究されてこなかった。
▽中間グループで良い結果
大蔵教授らは認知機能の低下を自覚し、かつ睡眠に問題を自覚している458人(45~89歳、平均年齢65歳)を対象に、睡眠・活動リズムの規則正しさと認知機能の関係を調べた。体に着けて健康データを自動測定する機器を用い、24時間の睡眠・活動時間を7日間連続で評価。そして、睡眠・活動リズムを「不規則」「規則正しい」「中間」の3グループに分けた。
また、脳の健康状態を反映する物質で、認知機能の維持に必要なことが報告されている脳由来神経栄養因子(BDNF)の血中濃度も測定した。その結果、認知機能は、睡眠・活動リズムの規則性が高い人ほど良く、規則正しいグループは不規則なグループと比べ、有意に良好だった。
一方、BDNFの血中濃度は、睡眠・活動リズムの規則性が中程度のグループで最も高かった。
しかし、さらに規則性が高いグループでは上昇効果が見られず、わずかに低下する傾向が見られた。このように規則性とBDNF濃度との間に「逆U字形」の関係が見られ、認知機能とBDNFでは最適な規則性の程度が必ずしも一致しない可能性が示された。
「定期的な運動習慣があるなど、規則正しい生活習慣を維持することは重要。ただ過度に規則正しい生活で、人とのコミュニケーションも取らないような刺激のない毎日だと、長期的には認知機能に悪い影響が出ることも考えられます」と大蔵教授はみている。(メディカルトリビューン=時事)
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