8週間以上続くせき―慢性咳嗽
風邪は治ってもせきだけが残る場合など、8週間以上続くせきは「慢性咳嗽(がいそう)」と呼ばれ、日本では約300万人の成人患者がいると推計される。近畿大病院(大阪府堺市)呼吸器・アレルギー内科の松本久子主任教授に話を聞いた。
▽病気の併存も
せきは、ほこりや煙、花粉、細菌、ウイルスなどの異物を気道から排出する防御反応で、たんを出す役割もある。しかし、ぜんそくやアレルギー、鼻炎、消化器の病気など、さまざまな原因でせきが出ることがある。降圧薬の一部や、睡眠時無呼吸症候群が原因となることも。
慢性咳嗽の主な原因は〔1〕せきぜんそく、気管支ぜんそく〔2〕アトピー咳嗽、喉頭アレルギー〔3〕胃食道逆流症〔4〕感染後咳嗽(百日ぜきなど)の四つがある。
「いずれも、たんはほとんど出ない点が共通しており、複数の病気が併存するケースも多く見られます。X線やCT、血液検査で異常が見つかりにくいことも特徴です」
▽せき過敏症の可能性
原因を特定できれば、それに応じた治療が行われるが、原因が特定できない場合や治療で改善しない場合は「せき過敏症」の可能性がある。「通常は反応しないようなわずかな刺激でせきが出る場合、せき過敏症が疑われます」
例えば、たばこや料理の煙、冷気、乾燥した空気、香水、会話や笑い声、大声を発することなどが刺激になる。耳かきの刺激でせきが出ることも。
「中年以降の女性に多く、閉経によるエストロゲンの分泌低下がせきの過敏性を高める可能性も考えられています」。男女問わず肥満や喫煙もリスク要因とされる。
「ぜん鳴(呼吸時のゼーゼー、ヒューヒューいう音)やたんに血が混じるなどがある場合はもちろんですが、せきだけでも3週間以上続く場合は、早めに呼吸器内科か内科の受診をお勧めします。せきを誘発する行動や環境を避け、過去に使った治療薬の効果を医師に伝えることも大切です」と、松本主任教授はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)
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