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保険適用のがんが拡大―陽子線治療

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 放射線の一種である陽子線を用いたがん治療に公的医療保険が利く場合が増えている。2008年からこの治療を行っている南東北がん陽子線治療センター(福島県郡山市)の村上昌雄センター長に概要と課題を聞いた。

▽がんを切らずに

 放射線治療は、手術、薬と並ぶがんの三大治療法。エックス線がよく使われるが、陽子線はこの10年ほどで徐々に広がっている。

 陽子線とは、高いエネルギーを持ちながら進む粒子で、目には見えない。エックス線と異なり、体内のある深さで止まり、その寸前に最も大きなエネルギーを放出する特性がある。それをがん治療に利用する。

 「光の速さの60~70%まで加速した陽子線をがんに集中してぶつけて死滅させる一方、正常組織へのダメージを最小限に抑えられます」

 16年から保険適用のがんが段階的に増え、早期の前立腺がんや肺がんなど、従来は手術の対象だったがんを「切らずに治す」ことができるようになった。また、局所進行した膵臓(すいぞう)がん、骨から発生したがん(骨肉腫)など、手術が困難ながんに対する新たな治療の選択肢となった。

 一方、胃がんなどは対象外だ。「腸管が不規則に動くので照準を合わせることが難しいことと、がんがなくなったところに穴が開くリスクがあるからです」

▽通院治療も可能

 村上センター長によると、1回の治療時間は患者と照射機器の位置合わせなどの準備を含めて約15~30分、照射は5分以内。これを週5回続け、がんの種類によって計4~40回行う。「早期がんなら通院での治療が可能です。膵臓がんなどで抗がん剤と併用する場合は入院で行います」

 難治で知られる膵臓がんに対しては、近接する胃との間に事前の手術で患者自身の脂肪などを使って「緩衝区域」を設け、より多い線量を安全に照射できるようにしている。

 陽子線治療をする医療機関は現在、全国で20カ所にとどまる。そのため、がんの主治医が提示する治療の選択肢に入っていない可能性もある。村上センター長は、治療法について迷っている時や進行した時には、異なる医療機関の医師にセカンドオピニオンを受けることを勧める。

 実際に陽子線治療の医療機関を検討する場合は、その施設が対応できるがんの種類と件数といった実績にも着目するとよい。(メディカルトリビューン=時事)

   ◇   ◇

 南東北がん陽子線治療センターの所在地 〒963―8052 福島県郡山市八山田7の172 電話024(934)3888(代表)

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