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寝たきりの危険も―廃用症候群

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 病気やけがによって長期間、過度な安静状態が続くと、筋肉や関節が衰えたり、意欲が低下したりする「廃用症候群」。特に高齢者では、一度発症すると元の状態に戻すのが難しく、寝たきりの原因にもなり得る。国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)副院長でリハビリテーション科の加賀谷斉部長に話を聞いた。

▽1週間で筋力低下

 風邪を引いて数日寝込んだ後、治ったのに歩くとふらついた経験はないだろうか。「このような状態がさらに悪化したものが廃用症候群とイメージすると分かりやすいでしょう」と、加賀谷部長。

 主な症状は、筋肉や関節の衰え、骨の脆弱(ぜいじゃく)化、心肺機能の低下、静脈の詰まり、抑うつ、時間や場所の認識が難しくなる見当識障害―など多岐にわたる。「中でも注意すべきは、いわゆるエコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)と呼ばれる状態で、血栓が血管を詰まらせると突然死を招くこともあります」と加賀谷部長は説明する。

 廃用症候群の原因として多いのは、病気やけがで安静が続くことに加え、高齢者の活動意欲の低下、入院などによる運動不足だ。「1週間程度、寝た状態が続くと、廃用症候群のリスクは高まります」。1週間で10~15%程度の筋力低下が起こることがあるという。

▽可能な範囲で心身使う

 廃用症候群は「生活不活発病」とも呼ばれる。発症すると回復は難しく、特に高齢者では寝たきりのリスクがいっそう高まるため、予防が最も重要だ。

 「動かせる範囲で構いません。横になっている状態でも体を少しでも動かし、会話をしたり、読書や計算ドリルなどで頭を使ったりすることが大切です。静脈血栓塞栓症の予防には、ふくらはぎの血流を良くするために足首を曲げ伸ばしする運動が有効です」

 高齢者の活動意欲低下や要介護、要介助状態への対応では、「やり過ぎない介助」がポイント。「食事やトイレ、入浴など、できる範囲で本人に任せてください。多少時間がかかっても、手を出さずに見守ることが大切です。さらに、生活リズムを整えるためにも、日中は横になって過ごす時間を減らしましょう」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)

   ◇   ◇

 国立長寿医療研究センターの所在地 〒474―8511 愛知県大府市森岡町7の430 電話0562(46)2311(代表)

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