指が突然紫色に―アヘンバッハ症候群
突然、手の指に内出血のような紫色のあざができ、腫れや痛みを伴う「アヘンバッハ症候群」。一過性の良性疾患だが、急な発症や痛々しい見た目から、重篤な病気を疑い不安を覚える人も。国立病院機構熊本医療センター(熊本市)総合診療科の国友耕太郎副部長に聞いた。
▽中年女性に多い疾患
アヘンバッハ症候群の特徴は、外傷や血液凝固異常など明らかな原因がないにもかかわらず、突然、手の指に内出血が起こる点だ。症状は人さし指や中指に表れることが多いが、手のひらが変色する場合もあり、個人差がある。
「50歳前後の女性に多いのも特徴です。加齢に伴う血管の脆弱(ぜいじゃく)性が関係する可能性がありますが、明確な原因は分かっていません」と国友副部長。
診断は問診と視診が中心で、突然の発症や紫色の変色、発症年齢や性別、他の病気を示す所見がないことなどを確認し、総合的に判断する。比較的まれな病気のため、医療機関を受診してもレントゲンや血液検査で異常が見られず、診断がつかないケースも少なくないという。
「内出血や痛みは、数日から2週間程度で自然に治まる場合がほとんどで、後遺症も残りません。命に関わる病気ではないので、落ち着いて対処することが大切です」
▽手が冷えたら注意
治療の基本は安静と経過観察だ。痛みが強い場合は鎮痛薬が処方されることもあるが、特別な治療薬は必要なく、日常生活の制限もない。
ただし、紫色の変色や痛み、腫れに加えて「手が冷たい」と感じる場合は注意が必要だ。血栓や動脈硬化によって動脈が詰まり、血流が途絶える「動脈閉塞症」の可能性も考えられる。「このような症状があれば、速やかに救急外来を受診してください」
一度発症すると、同様の症状を繰り返すことがあるのもアヘンバッハ症候群の特徴の一つ。「手が冷たくない場合は過度に心配する必要はありません。受診時にアヘンバッハ症候群の可能性を医師に伝えれば、不要な検査を減らせる場合もあります」
ただし、変色が長期間続く場合には、血液疾患など他の病気の可能性もあり得るという。「念のため、内科で診察を受けると安心です」と国友副部長は助言している。(メディカルトリビューン=時事)
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