終末期がん患者のせん妄リスクに"強い眠気"
ステロイドによる多施設共同前向き観察研究
2015年08月17日 15:07
終末期がん患者では,半数以上で倦怠感や食欲不振が見られる。これらの症状に対するステロイド治療は,ランダム化比較試験などから有効性が示されつつあるが,臨床現場では経験的に使用されているのが現状である。さらに,副作用としてせん妄発症が問題視されているが関連する因子は明らかではない。外旭川病院(秋田市)の松尾直樹氏は,倦怠感または食欲不振に対するステロイド治療を開始する終末期がん患者を対象に,有効性の予測因子と,せん妄発症に関わるリスク因子を検討した多施設共同前向き観察研究の結果,全身状態が良好な患者ではステロイドが有効で,強い眠気がせん妄のリスクになることが分かったと第20回日本緩和医療学会学術大会(6月18〜20日,大会長=昭和大学医学教育推進室講師・髙宮有介氏)で報告した。