メニューを開く 検索を開く ログイン

ホーム »  ニュース »  2016年 »  薬剤情報 »  再発卵巣がんの維持療法で画期的な効果

再発卵巣がんの維持療法で画期的な効果

PARP阻害薬niraparibの国際共同第Ⅲランダム化試験

 2016年11月17日 07:10
プッシュ通知を受取る

イメージ画像 (c)Getty Images ※画像はイメージです

 PARP阻害薬niraparibはBRCA変異の有無にかかわらず、プラセボに比べてプラチナ製剤感受性再発卵巣がんの無増悪生存期間を有意に延長させた。第Ⅲ相ランダム化二重盲検試験ENGOT*-OV16/NOVAの結果を、デンマーク・Copenhagen University HospitalのMansoor Raza Mirza氏らが、N Engl J Med2016年10月7日オンライン版)で発表した。この結果は10月7~11日にコペンハーゲンで開かれた欧州臨床腫瘍学会議(ESMO)2016でも報告された。

続きを読む(読了時間:約 1.5 分) 

BRCA変異の有無別にランダム割り付け

 Niraparibは、DNA損傷を検出・修復する核蛋白であるpoly (ADP-ribose)polymerase(PARP)1/2の高度選択的阻害薬で、特にBRCA1/2変異陽性がん(卵巣がんの10~15%)に効果が期待されている。同遺伝子の機能不全より相同組み換え修復が欠損(HRD;homologous recombination deficiency)したがん細胞は、PARP阻害により細胞死が誘導されると考えられている。

 今回、プラチナ製剤感受性再発卵巣がんで、2つ以上の同製剤レジメンの治療歴がある18歳以上以上を対象に、維持療法としてのniraparibの有効性と安全性を検討した。まず、BRCA遺伝子の生殖細胞系列(germline)変異の有無によりgBRCA変異あり群とgBRCA変異なし群に分け、2:1の比率でniraparib群(300mg/日)とプラセボ群にランダムに割り付けた。主要評価項目は無増悪生存期間とした。

BRCA変異あり群は著明改善

 2013年8月~16年6月に、欧州のENGOT参加国、米国、カナダおよびハンガリーの107施設から553例が登録された。gBRCA変異あり群は203例(niraparib群138例、プラセボ群65例)、gBRCA変異なし群は350例(niraparib群234例、プラセボ群116例)で、平均年齢57~63歳、大部分の患者は卵巣がん診断時ステージⅢ~Ⅳ期であった。

 平均17カ月(最長24カ月)追跡した結果、niraparibはプラセボに比べて、BRCAやHRDの状態別の3つのサブグループ全てで無増悪生存期間を有意に延長した(全てP<0.001)。特にgBRCA変異あり群では、無増悪生存期間の中央値はniraparib群の21.0カ月に対し、プラセボ群は5.5カ月、niraparibは73%も増悪リスクを減少させた〔、ハザード比(HR)0.27、95%CI 0.17~0.41〕。

図. gBRCA変異あり群における無増悪生存率のKaplan-Meier曲線

N Engl J Med 2016年10月7日オンライン版)

 さらに、無増悪生存期間はgBRCA変異のないHRD陽性群では、niraparib群の12.9カ月に対し、プラセボ群では3.8カ月(同 0.38、0.24~0.59)、gBRCA変異なし群全体では、niraparib群の9.3カ月に対し、プラセボ群では3.9カ月(同 0.45、 0.34~0.61)であった。

投与量の調整で有害事象への対処が可能

 有害事象による治療中止は、プラセボ群の2.2%に対し、niraparib群全体で14.7%。治療中の死亡は両群ともになかった。追跡期間中の死亡は3例(骨髄性急性白血病や骨髄異形成症候群)あり、このうち2例(niraparib群、プラセボ群各1例)が治療関連と評価された。治療中に発生したグレード3/4の有害事象の発現は、プラセボ群の22.9%に対し、niraparib群は74.1%で、血液検査所見の異常が多かった。このうち、血液学的イベントはniraparib群の10%以上で認められ、血小板減少症が33.8%、貧血が25.3%、好中球減少症が19.6%。これらの多くは投与量の調整で対処し、治療を継続できた。

治療反応性の予測指標が必要

  Mirza氏は「再発卵巣がんでこれほど長期の無増悪生存の延長が得られたのは初めて。Niraparibは全卵巣がんの70%を占める患者群で有意に転帰を改善した。この画期的な試験結果は、再発卵巣がんの治療を変えるかもしれない」とその効果を絶賛。一方、「BRCA変異やHRDの状態が、niraparib治療の便益の大きさに関する重要な情報となることが示唆されたが、これらのバイオマーカーは個々の患者に用いるには十分に正確な予測指標ではない」と指摘した。

 スペイン・Oncology Foundation Institute Valencia の Andrés Poveda氏は「今回の試験は、治療する患者を選択するためにHRDを使用した初めての試験で、有用な戦略であることが示された。今後の研究で、PARP阻害薬が有効でないHRD陽性患者群、長期効果が期待できる患者群を同定しその機序を解明する必要がある。サイクリンE陽性などHRD以外の因子でも、治療に反応する患者を予測可能かどうかを検討する必要がある」とコメントしている。

European Network of Gynaecological Oncology Trial groups

(坂田真子)

  

ピックアップコンテンツ

コメント機能は会員限定サービスです。

ワンクリックアンケート

制服(白衣、オペ着など)にこだわりはありますか?

ホーム »  ニュース »  2016年 »  薬剤情報 »  再発卵巣がんの維持療法で画期的な効果

MedicalTribuneウェブへようこそ
ご利用は完全無料です

今、会員登録いただくと
もれなく1,000ポイント進呈!※医師会員限定(既に登録済みの会員は対象外)
※ポイントはAmazonギフト券等に交換が可能です

本キャンペーンを適用するには
下記よりご登録くださいもしくは登録時に下記キャンペーンコードをご入力

P12505641 有効期限:12月末まで