HPVワクチン、長期の感染予防効果を確認
日本初の長期有効性の成績
2022年03月10日 05:05
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日本でヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種の公費助成が開始された2010年時点で接種対象年齢であった女性は、現在20歳代半ばを迎えている。新潟大学大学院産科婦人科学教授の榎本隆之氏、准教授の関根正幸氏、黒澤めぐみ氏らの研究グループは、実臨床データを用いて高リスク型HPVの感染予防における2価HPVワクチンの長期有効性を検討。接種から約9年経過した時点で、HPV16/18型の感染率は0%と長期予防効果が認められたことを、Cancer Sci(2022年1月31日オンライン版)に報告した。同ワクチンの長期有効性を明らかにした日本の研究は初めて。関根氏は「12~16歳でHPVワクチン接種を受けた女性には朗報だ。ワクチンの最大の効果を享受するには初交前に接種することが重要で、対象年齢の女性と保護者に周知する必要がある」としている(関連記事「HPV感染率上昇、ワクチン勧奨中止の代償」「HPVワクチン再開後の課題は?」)。