代謝関連肝細胞癌のフロントライン
シンポジウム6(日本肝臓学会・日本消化器病学会・日本消化器外科学会・日本消化器がん検診学会)
11月1日 9:30~12:00 第2会場(神戸国際展示場2号館 ホール南)
田中 直樹 氏
信州大大学院・国際医学研究推進学
飯島 尋子 氏
兵庫医大・消化器内科
長谷川 潔 氏
東京大・肝胆膵外科
吉丸 洋子 氏
熊本大大学院・消化器内科学
清水 孝夫 氏
手稲渓仁会病院・消化器病センター
近藤 礼一郎 氏
久留米大・病理学
宮明 寿光 氏
長崎大・消化器内科
南 達也 氏
東京大・消化器内科
西村 貴士 氏
兵庫医大・消化器内科(肝胆膵内科)、兵庫医大超音波センター
熊崎 秀祐 氏
大阪大大学院・消化器内科学
新川 寛二 氏
大阪公立大・肝胆膵外科
中川 勇人 氏
三重大大学院・消化器内科学



21世紀に入り、B型肝炎ウイルス(HBV)/C型肝炎ウイルス(HCV)感染による肝炎を背景とした肝がんは減少した一方、肥満や糖尿病などを背景とした代謝関連肝細胞がんが増加している。また、2023年には脂肪性肝疾患(SLD)に関する名称や分類が変更され、今年(2024年)8月には日本語名も決定した。司会を務める田中直樹氏は、「SLDの名称や分類変更後に、初めて行われる代謝関連肝細胞がんのセッションになると思われる。変更内容について確認するとともに、新分類が臨床にどのような影響を及ぼすのかじっくりと学べる機会になるだろう」と述べる(関連記事「NAFLDとNASHはスティグマ!名称変更へ」「MASLD、MASHの日本語名が決定!」)。
新分類に基づく臨床像の見直しの他、病理組織を用いた病態解明に注目
本セッションのスタートは、SLDの新分類に基づく代謝関連肝細胞がんの臨床像の見直しがテーマとなる。吉丸洋子氏は、代謝関連肝細胞がんの臨床像をHBV/HCV肝がんと比較したデータを提示。代謝関連肝細胞がんが疑われる患者のフォローアップのヒントを供する。清水孝夫氏は、新分類の代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)、代謝機能障害アルコール関連肝疾患(MetALD)、アルコール関連肝疾患(ALD)、成因不明脂肪性肝疾患(cryptogenic SLD)における背景因子、腫瘍因子、予後の違いを報告する。
続いて、病理組織像から病態の解明や予後予測を行った検討が報告される。近藤礼一郎氏は、BMI 23以上を背景とした肝細胞がんの病理像を検討し、臨床的な意義を考察する。また、宮明寿光氏はMASLD組織のデジタルパソロジーを利用した線維パターン解析による肝発がん予測を発表する。田中氏は「線維の幅や屈曲度など組織学的な像をデジタルで取り込み、AIで解析させるという非常に挑戦的な試みだ。今後の進展が期待されるホットな領域なので、ぜひ聞いてほしい」と呼びかけた。
高リスク群のスクリーニングや治療後の予後予測規定因子に関する研究も
MASLD関連肝発がん高リスク群のスクリーニングに関する2演題も注目される。西村 貴士氏は、Transient ElastographyまたはControlled Attenuation Parameter(CAP)を用いた検討を報告。優秀演題賞に選ばれた熊崎秀祐氏は、有用なバイオマーカーとして血清GDF15値に着目した研究を発表する。田中氏は「従来検討されてきたFIB-4 indexにGDF15を組み合わせることにより、効率的な発がん予測が可能になることを示唆する重要な研究だ」と期待を寄せた。
肝がん治療後の予後規定因子を取り上げるのは2演題。南達也氏はラジオ波焼灼術または肝がん切除後の再発率や非代償化率について、ウイルス学的著効(SVR)達成が得られたHCV肝がんおよび核酸アナログ製剤投与下のHBV肝がん患者とSLD関連肝がんを比較した検討を発表する。新川寛二氏は、肥満および糖尿病の併存と肝細胞がん術後長期成績との関連を検討しており、後期再発や予後の悪化に影響する因子について報告する。
田中氏は「代謝関連肝細胞がんは、患者が増加しているものの治療法や予防法は確立していない。このため内科、外科、放射線科、病理医などが協力し、早期発見、高リスク群の囲い込み、最適な介入方法の検討を行う必要がある」と指摘。その上で「当セッションは、最先端の知見が得られる内容であり、活発な議論が交わされると期待している」と述べた。
表. 本セッションの見どころ

(田中直樹氏提供)
※本記事の内容は取材時点での情報です。当日に変更となる場合があります。

第67回日本消化器病学会大会
[会長]上野 義之
山形大学 内科学第二(消化器内科学)
第110回日本消化器内視鏡学会総会
[会長]田中 聖人
京都第二赤十字病院
第29回日本肝臓学会大会
[会長]加藤 直也
千葉大学大学院 消化器内科学
第23回日本消化器外科学会大会
[会長]瀧口 修司
名古屋市立大学大学院 消化器外科学
第63回日本消化器がん検診学会大会
[会長]岡庭 信司
飯田市立病院 消化器内科
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