肺高血圧症(PH)に伴う非代償性右心不全は、生命を脅かす状態であり、心不全治療薬を投与しても予後不良である。しかし、現在承認されているPH治療薬は、最適な効果発現までに時間を要すことや増量が必要なものも多く、低血圧のリスクがあるなど、急性期においては限界がある。国立循環器病センター肺循環科特任部長の大郷剛氏らは、標準的なPH治療薬の効果が発現するまでのギャップを埋める選択性の高い肺血管拡張薬として、吸入一酸化窒素(iNO)の有効性と安全性を検討する第Ⅱ相非盲検ランダム化比較試験(RCT)PHiNOを実施。「iNOはPHに起因する重症急性右心不全患者の肺血管抵抗(PVR)を著明に改善し、血行動態や血液検査所見の回復が早かった。安全性プロフィールも良好であった」と第90回日本循環器学会(3月20~22日)で報告した。試験結果はCirc J(2026年3月12日オンライン版)に同時掲載された。