カルブロックとクラリスが併用禁忌に
ジカディアとCYP3A基質薬も併用禁忌に
厚生労働省は昨日(3月17日付)で医薬局医薬安全対策課長通知(医薬安発0317第1号)を発出、①長時間作用型ジヒドロピリジン系カルシウム(Ca)拮抗薬アゼルニジピン含有製剤(カルブロック、レザルタスなど)とマクロライド系抗菌薬クラリスロマイシン含有製剤(クラリス、ボノサップなど)を併用禁忌とする、②第二世代ALK阻害薬セリチニブ(商品名ジカディア)は強力なシトクロム(CYP)3A阻害作用を有するため、CYP3A基質薬との併用禁忌とする、③抗てんかん薬5成分は投与中の自動車運転などを一律に禁止するのではなく、「患者の状態に応じて危険を伴う機械操作の適否を慎重に判断」する-ことなど、添付文書の「使用上の注意」の改訂を指示した。(関連記事「厚労省、抗てんかん薬5剤の運転規制緩和へ」)
アゼルニジピンとクラリスロマイシン含有製剤:AUCが3.4~5.4倍に上昇の恐れ
アゼルニジピンおよびクラリスロマイシン含有製剤については、併用時における薬物動態学的な影響および市販後安全性情報を評価した。その結果、生理学的薬物速度論モデルの解析により、アゼルニジピンとクラリスロマイシン400mgまたは800mgを併用した場合、アゼルニジピンの血中濃度曲線下面積(AUC)が約3.4倍または5.4倍に上昇することが予測され、副作用の発現が懸念された。関連学会に意見を聴取し特段の問題はないことが確認でき、専門委員の意見も聴取した上で、併用禁忌とすることが適切と判断した。
対象薬と改訂の概要は以下の通り。
セリチニブ:副作用の発現が増強する恐れ
セリチニブについては、CYP3A基質薬の併用時における薬物動態学的な影響を評価した。専門委員の意見も聴取した結果、同薬の強力なCYP3A阻害作用によりCYP3A基質薬の曝露量が増加、副作用の発現が増強する恐れが判明。使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
対象薬と改訂の概要は以下の通り。
抗てんかん薬:日本てんかん学会の要望に基づき改訂
抗てんかん薬は向精神薬に分類され、眠気、注意力・集中力・反射運動能力の低下などの中枢神経系に影響を及ぼす副作用を起こすことがあるため、従来は「使用上の注意」の「重要な基本的注意」の項で「本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること」とされていた。
それに対し、日本てんかん学会は昨年(2025年)12月11日付で厚労省に「抗てんかん剤の添付文書における自動車の運転等に関する注意喚起の改訂についての要望書」を提出。抗てんかん薬の継続投与は自動車の運転技能に臨床的に意味のある影響を与えないと考えられ、添付文書における注意喚起は投与初期のみ自動車運転などを行わないこととするよう要望した。
これを受けて厚労省は副作用報告など、国内外の状況を調査。同学会が、要望書に加えて「抗てんかん発作薬を服用しているてんかんのある人において、 自動車運転や危険を伴う機械操作を行う際の留意事項」を提示したことなどに鑑み、以下の5成分について使用上の注意の改訂が適切と判断した。
対象薬と改訂の概要は以下の通り。
その他、エプレレノンと抗HIV薬コビシスタット含有製剤(商品名ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ)の併用禁忌、抗HIV薬と抗アンドロゲン薬のアパルタミド(アーリーダ)またはエンザルタミド(イクスタンジ)の併用禁忌、PARP阻害薬オラパリブ(リムパーザ)の「重大な副作用」の項への「肝機能障害」追記、カルシニューリン阻害薬タクロリムス(プログラフなど)の「妊婦」の項への海外疫学研究結果の追記などが指示された。
詳細は、厚労省の「医薬安発0317第1号」を参照されたい。
(編集部・関根雄人)
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