パシフィコ横浜で開催された第53回日本集中治療医学会(3月5〜7日)の企業展示ブースでは、集中治療現場が抱える課題を背景に、検査・測定の手軽さと環境負荷の軽減を意識した医療機器・ソリューションが目立った。 低侵襲・省力化を志向した測定機器 検査・測定分野では、医療従事者の負担軽減と患者への低侵襲性を両立する機器に注目が集まった。村田製作所のMoni-Patch深部体温センサシステムは、パッチ型センサを頸部に貼り付けて深部体温を測定するワイヤレス機器である。測定結果は表示ユニットへ無線送信され、術前、術中、術後を通じて連続的な体温管理が可能となる。侵襲性が小さく、繰り返し使用できる点も特徴で、周術期管理の効率化に寄与する技術として来場者の関心を集めていた。 インボディ・ジャパンは体成分分析装置InBody BWA2.0Sを展示した。同機は仰臥位・立位・坐位といった複数の姿勢で測定可能で、重症患者を含むさまざまな臨床状況に対応する。体水分量(TBW)に対する細胞外水分量(ECW)の割合を把握できるため、浮腫の客観的指標としての活用が期待されるという。 集中治療領域における医療機器分野でも、環境負荷の低減に向けた取り組みが進みつつある。アンブは、使い捨て内視鏡のハンドル部にバイオプラスチックを採用した製品を紹介。シングルユース製品は交差感染リスクの回避という利点がある一方、環境負荷が課題とされてきた。同社によれば、素材を見直すことで二酸化炭素(CO2)排出量の大幅削減が可能とされ、感染対策と環境配慮の両立を図る試みとして来場者の関心を集めていた。 集中治療領域では、高度な医療技術だけでなく、現場の運用を支える"使いやすさ"や持続可能性が重要なテーマになりつつある。今回の企業展示は、集中治療室(ICU)領域の今後の開発トレンドを示唆する内容となっていた。 (第53回日本集中治療医学会取材班)