ピボキシル基含有抗菌薬、小児の低カルニチン血症で再警告

死亡を含む重篤例が発生、添付文書も改訂

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする

 医薬品医療機器総合機構(PMDA)は本日(6月30日)、医薬品適正使用のお願いとして公式サイトに「ピボキシル基を有する抗菌薬投与による小児等の重篤な低カルニチン血症、重篤な低血糖について(続報)」を掲出。2012年4月に注意喚起を行って以降、2019年4月~26年5月に低血糖および低カルニチン血症関連の副作用報告が23例集積したとして、あらためて留意するよう依頼した。また、厚生労働省も本日付で医薬局医薬安全対策課長通知(医薬安発0630第13号)を発出。ピボキシル基含有抗菌薬4製剤の「使用上の注意」に「重要な基本的注意」を新設し、低カルニチン血症に伴う重篤な低血糖に関する注意事項を追記するよう指示した。

 

筋肉量が少ない小児で生じやすい

 ピボキシル基含有抗菌薬には、消化管吸収を高めるため添加物としてピバリン酸が用いられている。ピバリン酸が体内のカルニチンと抱合して尿中に排泄されると、短期間でも欠乏が生じて低カルニチン血症を引き起こす。ミトコンドリアの脂肪酸β酸化ができず糖新生が行えないことで重篤な低血糖、痙攣、脳症などを伴うケースもあり、特にカルニチンの貯蔵部位である筋肉量が少ない小児で生じやすいとされる。

 PMDAは、2012年1月末までにピボキシル基含有抗菌薬を使用した小児で副作用が38例(低血糖31例、痙攣・振戦24例、後遺症あり3例)報告されたことを受け、適正使用のお願いを掲出し注意喚起していた(関連記事「中耳炎に使用の抗菌薬で小児の低血糖,痙攣など38件」)。

 しかし、近年も低頻度ながら報告が継続しており、中耳炎に対し間欠投与されていた1歳男児での死亡例をはじめ、重大かつ不可逆的な転帰に至った症例もあったこと、1歳以下の乳幼児で頻度が高かったことなどから、あらためて以下の点について注意喚起を行った。

●小児(特に乳幼児)への投与に当たっては、同薬の必要性を含む薬剤の選択や投与期間などについて、最新のガイドラインなどを参考にする

●血清カルニチンが低下する先天性代謝異常であることが判明した場合は投与しない

血中カルニチン低下に伴う重篤な低血糖症状(意識レベル低下、痙攣など)が現れた場合は、速やかに医療機関を受診するよう家族らに指導する

●長期投与に限らず、投与開始翌日に低カルニチン血症に伴う重篤な低血糖を起こした報告や、妊婦の服用により出生児に低カルニチン血症が認められた報告もある

 国内で販売されている小児適応を有するピボキシル基含有抗菌薬()については、既に「使用上の注意」の「重大な副作用」および「小児等」の項で注意喚起を行っていたが、「重要な基本的注意」の項を新設し、小児における低カルニチン血症に伴う重篤な低血糖に関する注意事項を追記するよう指示した。

表. 国内で販売されているピボキシル基を有する抗菌薬(小児用製剤)

(PMDA公式サイト)

 なお、詳細は厚労省の「医薬安発0630第13号」を参照されたい。

編集部・関根雄人

 

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする