PPIの重大な副作用に低Mg血症を追加
免疫チェックポイント阻害薬9製剤は血管炎
厚生労働省は昨日(7月14日)付で医薬局医薬安全対策課長通知(医薬安発0714第1号)を発出。①プロトンポンプ阻害薬(PPI)およびカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)は「重大な副作用」の項に「低マグネシウム(Mg)血症」を新設、②免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は「重大な副作用」の項に「血管炎」を新設-することなど、添付文書の「使用上の注意」の改訂を指示した。
PPI・P-CAB:因果関係が否定できない症例が複数製剤で集積
PPIに関しては、2011年に米食品医薬品局(FDA)が1年以上の長期服用例において低Mg血症のリスクがあるとして、注意を呼びかけていた(関連記事「PPI長期服用で低Mg血症の可能性あり」)。
今回、医薬品医療機器総合機構(PMDA)がPPIおよびP-CABについて低Mg血症関連事象(Grade 3以上の低Mg血症、血中Mg減少、Mg欠乏)の国内症例を評価した。その結果、オメプラゾールで1例(薬剤との因果関係が否定できない症例0例)、ラベプラゾールナトリウムで3例(同2例)、ランソプラゾールで6例(同5例)、エソメプラゾールマグネシウム水和物で12例(同5例)、ボノプラザンフマル酸塩で17例(同8例)の集積を確認。いずれも死亡例はなかったものの、因果関係の否定できない症例が集積したことから、使用上の注意改訂が妥当と判断した。
なお、単剤の複数製剤で確認されたため、PPIのパック剤および配合剤、要指導医薬品についても使用上の注意を改訂するよう指示した。
対象薬と改訂の概要は以下の通り。
ICI:ペムブロリズマブ以外にも血管炎を追加
ICIについては、昨年(2025年)7月に抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(キイトルーダ)投与例において、血管炎関連事象の国内症例が35例(医薬品との因果関係が否定できない症例11例)集積したとして、「重大な副作用」の項に「血管炎」を新設していた(関連記事「GLP-1受容体作動薬にイレウスの副作用追記」)。
今回は、抗PD-1抗体〔①ニボルマブ(商品名オプジーボ)、②セミプリマブ(リブタヨ)、③チスレリズマブ(テビムブラ)、④レチファンリマブ(ジニイズ)〕、抗PD-L1抗体〔⑤アベルマブ(バベンチオ)、⑥アテゾリズマブ(テセントリク)、⑦デュルバルマブ(イミフィンジ)〕、抗CTLA-4抗体〔⑧イピリムマブ(ヤーボイ)、⑨トレメリムマブ(イジュド)〕について、血管炎関連事象を評価した。
その結果、国内症例が①で22例(因果関係が否定できない症例6例)、④で7例(同3例)、⑤で1例(同1例)、⑥で11例(同6例)、⑧で10例(同2例)、⑨で4例(同1例)集積。いずれも死亡例はなかったものの、専門員の意見も聴取した結果、ペムブロリズマブと同様に「重大な副作用」の項に「血管炎」を新設することが適切と判断した。
なおニボルマブについては、国内症例が17例(因果関係が否定できない症例4例)確認されたことから、「重大な副作用」の項に「血栓性微小血管症」も追記された。
トレムフィア:肝機能障害が19例集積
インターロイキン(IL)-23阻害薬のグセルクマブ(商品名トレムフィア)については、肝機能障害関連症例を評価したところ、国内症例が19例(医薬品との因果関係が否定できない症例3例)集積。「重要な基本的注意」の項に「自己免疫性肝炎等の肝機能障害に関する注意」を、「重大な副作用」の項に「肝機能障害」を追記するよう指示した。
この他、抗悪性腫瘍薬では、トポイソメラーゼⅡ阻害薬ドキソルビシン(商品名アドリアシン他)は「腎臓限局型血栓性微小血管症」、プロテアソーム阻害薬イキサゾミブ(ニンラーロ)は「血栓性微小血管症」、白金製剤カルボプラチン(パラプラチン他)は「抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)」を「重大な副作用」の項に追記。組み換えRSウイルスワクチン(アブリスボ、アレックスビー)は「重大な副反応」の項に「ギラン・バレー症候群」を追記することなどが指示された。
詳細は、厚労省の「医薬安発0714第1号」を参照されたい。
(編集部・関根雄人)
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