タグリッソの重大な副作用に「再生不良性貧血」追加
アクテムラの「薬剤性過敏症症候群」なども
厚生労働省は昨日(9月29日)付で医薬局医薬安全対策課長通知(医薬安発0929第1号)を発出。「重大な副作用」の項に①第三世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)のオシメルチニブ(商品名タグリッソ)は「再生不良性貧血」を、②複数の免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は「重度の胃炎、食道炎」を、③インターロイキン(IL)-6阻害薬のトシリズマブ(アクテムラ他)は「薬剤性過敏症症候群」を-追記するなど、添付文書の「使用上の注意」の改訂を指示した。
オシメルチニブ:因果関係が否定できない国内症例が3例
オシメルチニブは、再生不良性貧血症例を評価したところ、国内症例が8例(うち医薬品との因果関係が否定できない症例3例)、死亡例が1例(同0例)集積。専門委員の意見も聴取した上で、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。「重要な基本的注意」の項に「再生不良性貧血」を追記するとともに、「重大な副作用」の項に「再生不良性貧血」を追記するよう指示した。
抗PD-1/PD-L1/CTLA-4抗体:因果関係が否定できない症例が複数報告
ICIについては、抗PD-1抗体のニボルマブ(商品名オプジーボ)とペムブロリズマブ(キイトルーダ)は「重大な副作用」の項に「重度の胃炎」、ニボルマブと抗CTLA-4抗体イピリムマブ(ヤーボイ)は「食道炎」の記載がある(関連記事「ドンペリドンの重大な副作用に不整脈追加」)。
今回、両方の記載があるニボルマブを除く抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA-4抗体の9剤について、Grade 3以上で内視鏡・生検などの結果が言及されている重度の胃炎および食道炎関連症例を評価した。
その結果、以下の通り複数の薬剤で国内症例の集積が確認された。

専門委員の意見も踏まえ、「重大な副作用」の項にペムブロリズマブは「重度の食道炎」を、イピリムマブは「重度の胃炎」を、その他の7剤は「重度の胃炎、食道炎」を追記することが適切と判断した。
トシリズマブ:国内外でDRESS症例が集積
トシリズマブについては、一部のスチル病およびスチル病類似疾患患者において、IL-1/IL-6阻害薬の導入後にまれだが薬剤性過敏症症候群(DRESS)が生じるとの報告がある(J Allergy Clin Immunol Pract 2024; 12: 2996-3013.e7)。
今回、DRESS症例を評価したところ、国内症例が3例(うち因果関係が否定できない症例0例)、海外症例が4例(同2例)うち死亡2例(同0例)確認された。海外で因果関係が否定できない症例が集積したことから、改訂が適切と判断。バイオ後発品を含め、「重大な副作用」の項に「薬剤性過敏症症候群」を新設、注意喚起を追記した。
この他、代謝拮抗薬アザチオプリン(商品名イムラン他)は「可逆性後白質脳症症候群」「肝類洞閉塞症候群(SOS)/肝中心静脈閉塞症(VOD)」を、ホスホジエステラーゼ(PDE)4阻害薬アプレミラスト(オテズラ)は「肝機能障害」を、RET阻害薬セルペルカチニブ(レットヴィモ)は「皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)」を「重大な副作用」の項に追記する。第二世代ALK阻害薬アレクチニブ(アレセンサ)は「重要な基本的注意」の項に重度の高トリグリセリド血症とそれに続発する膵炎に関する注意を追記することなどを指示した。
詳細は、厚労省の「医薬安発0929第1号」を参照されたい。
(編集部・関根雄人)
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