がんゲノム医療の功罪 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 統合プログラム4(ワークショップ) 11月1日(金)14:00~17:00 第6会場(ポートピアホテル南館 大輪田B) [司会] 武藤 学 氏 京都大大学院・腫瘍薬物治療学 沖 英次 氏 九州大・消化器・総合外科 西原 広史 氏 慶應義塾大・腫瘍センターゲノム医療ユニット [演者] 加藤 真吾 氏 横浜市立大附属病院・がんゲノム診断科 稲田 浩気 氏 熊本大・消化器内科、熊本大病院・がんゲノムセンター 奥川 喜永 氏 三重大・ゲノム診療科、三重大・消化管外科 藤吉 健司 氏 久留米大・外科 石川 麻倫 氏 慶應義塾大・腫瘍センターゲノム医療ユニット 村本 雄哉 氏 京都大附属病院・消化器内科 石垣 和祥 氏 東京大附属病院・消化器内科、東京大附属病院・臨床腫瘍科 福田 壮馬 氏 国立がん研究センター中央病院・肝胆膵内科 高谷 昌宏 氏 姫路赤十字病院・消化器内科 松林 宏行 氏 静岡がんセンター・ゲノム医療推進部、静岡がんセンター・内視鏡科 赤羽 慎太郎 氏 広島大大学院・消化器・移植外科学 山田 岳史 氏 日本医大・消化器外科 2019年に包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)検査が保険適用された。がんゲノム医療はがん治療の在り方を根本的に変えると期待される一方、保険適用となるのは標準治療がないか終了(見込みを含む)した症例のみで、大半の患者は適切な治療に到達できていない可能性がある。本セッションでは、がんゲノム医療の利点と限界を議論し、将来のがん医療の方向性を探っていく。司会を務める武藤学氏は「標準治療前に検査を実施して適切な治療に振り分けるのが本来のCGPの在り方。課題を抽出し、良い方向に導くようなセッションにしたい」と意気込む。 低い薬剤到達率が課題、CGPの有用性を多角的に検討 最初の4演題ではCGPの有用性について多角的に考察する。加藤真吾氏は2023年8月に保険適用されたGenMineTOPがんゲノムプロファイリングシステムにおけるRNA解析の有用性について、RNAの品質を評価する指標DV200を用いて検討する。稲田浩気氏は採血など低侵襲性の方法で得た体液を検体とするリキッドバイオプシーによるCGP(LBx-CGP)が実臨床でどの程度有用であるかに迫る。 保険適用の条件や実施可能な施設が限られていることなどから、CGPによる薬剤到達率は10%程度と低い。奥川喜永氏は自施設でのCGP提供体制とその結果を振り返りつつ、アンケートによる患者と紹介側の医師のCGPに対する満足度について報告。藤吉健司氏は固形がんの根治切除例を対象に、切除組織と術前・術後血液を用いてCGPを実施、各タイミングにおける体細胞変異の変化について検討する。 切除不能胆道がんなど、がん種別の検討5演題を採択 続く5演題では、がん種別のがんゲノム医療の実際について発表予定。石川麻倫氏は自施設での検査で明らかになった十二指腸腫瘍のゲノム病理学的特徴について報告する。村本雄哉氏は胆管がんにおけるCGPデータを後方視的に検討し、現状と課題を分析。石垣和祥氏は切除不能膵がんに対するLBx-CGPの成績を国立がん研究センターがんゲノム情報管理センター(C-CAT)のデータを用いて評価する。 切除不能胆道がんでは組織を用いたCGPが困難であることから、福田壮馬氏は内視鏡的超音波誘導組織獲得(EUS-TA)で採取された組織におけるCGP解析の実現可能性を検討。高谷昌宏氏は予後不良な疾患である消化器神経内分泌がん(NEC)に対する自施設でのCGP実施例について報告予定だ。 遺伝性疾患の情報をいかに扱うか 最後の3演題は生殖細胞系列変異に関する発表となる。「日本では米国のような遺伝子情報差別禁止法(GINA)が整備されていない。またCGPが実施されるのは標準治療後で、患者によっては緩和ケアの段階に入っている。そのような状態で遺伝性疾患が示唆されても、血縁者は適切な対応を取れない場合がある。こういった課題について考えていきたい」と武藤氏は説明。松林宏行氏はCGPにより遺伝性疾患が示唆される二次的所見(SF)が検出された際、患者や血縁者に情報が還元されたかについて後ろ向きに検討する。赤羽慎太郎氏は消化器がん関連でSFが指摘された症例に対する遺伝学的検査や血縁者解析の実施の有無などについて考察。山田岳史氏は遺伝性大腸がんと悪性腫瘍の既往歴および家族歴の関係を報告する。 武藤氏は「第4期がん対策推進基本計画では、誰一人取り残さないがん対策を推進することが掲げられている。より良い医療体制の実現のためにも、ぜひ本セッションに参加していただきたい」と呼びかけている。 ※本記事の内容は取材時点での情報です。当日に変更となる場合があります。 MTウェブJDDW2024 TOP JDDW2024公式サイト 第67回日本消化器病学会大会 [会長]上野 義之 山形大学 内科学第二(消化器内科学) 第110回日本消化器内視鏡学会総会 [会長]田中 聖人 京都第二赤十字病院 第29回日本肝臓学会大会 [会長]加藤 直也 千葉大学大学院 消化器内科学 第23回日本消化器外科学会大会 [会長]瀧口 修司 名古屋市立大学大学院 消化器外科学 第63回日本消化器がん検診学会大会 [会長]岡庭 信司 飯田市立病院 消化器内科 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×
統合プログラム4(ワークショップ) 11月1日(金)14:00~17:00 第6会場(ポートピアホテル南館 大輪田B) [司会] 武藤 学 氏 京都大大学院・腫瘍薬物治療学 沖 英次 氏 九州大・消化器・総合外科 西原 広史 氏 慶應義塾大・腫瘍センターゲノム医療ユニット [演者] 加藤 真吾 氏 横浜市立大附属病院・がんゲノム診断科 稲田 浩気 氏 熊本大・消化器内科、熊本大病院・がんゲノムセンター 奥川 喜永 氏 三重大・ゲノム診療科、三重大・消化管外科 藤吉 健司 氏 久留米大・外科 石川 麻倫 氏 慶應義塾大・腫瘍センターゲノム医療ユニット 村本 雄哉 氏 京都大附属病院・消化器内科 石垣 和祥 氏 東京大附属病院・消化器内科、東京大附属病院・臨床腫瘍科 福田 壮馬 氏 国立がん研究センター中央病院・肝胆膵内科 高谷 昌宏 氏 姫路赤十字病院・消化器内科 松林 宏行 氏 静岡がんセンター・ゲノム医療推進部、静岡がんセンター・内視鏡科 赤羽 慎太郎 氏 広島大大学院・消化器・移植外科学 山田 岳史 氏 日本医大・消化器外科 2019年に包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)検査が保険適用された。がんゲノム医療はがん治療の在り方を根本的に変えると期待される一方、保険適用となるのは標準治療がないか終了(見込みを含む)した症例のみで、大半の患者は適切な治療に到達できていない可能性がある。本セッションでは、がんゲノム医療の利点と限界を議論し、将来のがん医療の方向性を探っていく。司会を務める武藤学氏は「標準治療前に検査を実施して適切な治療に振り分けるのが本来のCGPの在り方。課題を抽出し、良い方向に導くようなセッションにしたい」と意気込む。 低い薬剤到達率が課題、CGPの有用性を多角的に検討 最初の4演題ではCGPの有用性について多角的に考察する。加藤真吾氏は2023年8月に保険適用されたGenMineTOPがんゲノムプロファイリングシステムにおけるRNA解析の有用性について、RNAの品質を評価する指標DV200を用いて検討する。稲田浩気氏は採血など低侵襲性の方法で得た体液を検体とするリキッドバイオプシーによるCGP(LBx-CGP)が実臨床でどの程度有用であるかに迫る。 保険適用の条件や実施可能な施設が限られていることなどから、CGPによる薬剤到達率は10%程度と低い。奥川喜永氏は自施設でのCGP提供体制とその結果を振り返りつつ、アンケートによる患者と紹介側の医師のCGPに対する満足度について報告。藤吉健司氏は固形がんの根治切除例を対象に、切除組織と術前・術後血液を用いてCGPを実施、各タイミングにおける体細胞変異の変化について検討する。 切除不能胆道がんなど、がん種別の検討5演題を採択 続く5演題では、がん種別のがんゲノム医療の実際について発表予定。石川麻倫氏は自施設での検査で明らかになった十二指腸腫瘍のゲノム病理学的特徴について報告する。村本雄哉氏は胆管がんにおけるCGPデータを後方視的に検討し、現状と課題を分析。石垣和祥氏は切除不能膵がんに対するLBx-CGPの成績を国立がん研究センターがんゲノム情報管理センター(C-CAT)のデータを用いて評価する。 切除不能胆道がんでは組織を用いたCGPが困難であることから、福田壮馬氏は内視鏡的超音波誘導組織獲得(EUS-TA)で採取された組織におけるCGP解析の実現可能性を検討。高谷昌宏氏は予後不良な疾患である消化器神経内分泌がん(NEC)に対する自施設でのCGP実施例について報告予定だ。 遺伝性疾患の情報をいかに扱うか 最後の3演題は生殖細胞系列変異に関する発表となる。「日本では米国のような遺伝子情報差別禁止法(GINA)が整備されていない。またCGPが実施されるのは標準治療後で、患者によっては緩和ケアの段階に入っている。そのような状態で遺伝性疾患が示唆されても、血縁者は適切な対応を取れない場合がある。こういった課題について考えていきたい」と武藤氏は説明。松林宏行氏はCGPにより遺伝性疾患が示唆される二次的所見(SF)が検出された際、患者や血縁者に情報が還元されたかについて後ろ向きに検討する。赤羽慎太郎氏は消化器がん関連でSFが指摘された症例に対する遺伝学的検査や血縁者解析の実施の有無などについて考察。山田岳史氏は遺伝性大腸がんと悪性腫瘍の既往歴および家族歴の関係を報告する。 武藤氏は「第4期がん対策推進基本計画では、誰一人取り残さないがん対策を推進することが掲げられている。より良い医療体制の実現のためにも、ぜひ本セッションに参加していただきたい」と呼びかけている。 ※本記事の内容は取材時点での情報です。当日に変更となる場合があります。 MTウェブJDDW2024 TOP JDDW2024公式サイト 第67回日本消化器病学会大会 [会長]上野 義之 山形大学 内科学第二(消化器内科学) 第110回日本消化器内視鏡学会総会 [会長]田中 聖人 京都第二赤十字病院 第29回日本肝臓学会大会 [会長]加藤 直也 千葉大学大学院 消化器内科学 第23回日本消化器外科学会大会 [会長]瀧口 修司 名古屋市立大学大学院 消化器外科学 第63回日本消化器がん検診学会大会 [会長]岡庭 信司 飯田市立病院 消化器内科