新製品続々、少量・高エネルギー食から腸内環境改善まで

第41回日本栄養治療学会・企業展示ブース

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 第41回日本栄養治療学会が2月13~14日、パシフィコ横浜で開催された。同会場での企業展示ブースでは、最新のガイドラインに基づいた製品や今春に発売を控えた新製品が相次いで披露され、臨床栄養のさらなる進化を予感させる内容となった。

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無理なく摂取できる高栄養サポート

 低栄養患者への早期介入においては、少量かつ高エネルギーの栄養摂取が重要である。日清オイリオグループの介護食ミニタスシリーズは、中鎖脂肪酸(MCT)を活用することで、効率的なエネルギー利用を実現した高濃度設計が特徴。蛋白質、脂質、糖質のバランスを最適化し、摂取量が低下した患者でも短時間で必要な栄養密度を確保できる。また、同社のブースでは2024年度診療報酬改定で低栄養診断の要件に加わったGLIM基準への対応など、診断から介入までを包括的に支援する啓発活動も展開された。

 ニュートリーは、医師らとの産学協創プロジェクトで開発した栄養補助飲料アリモアを紹介(今年4月発売予定)。1本125mL当たり220kcal、蛋白質10g(コラーゲンペプチド使用)、8種のビタミンB群や亜鉛を配合しており、フレーバーは臨床現場のニーズを反映して飲みやすいスイートシトラス風味を採用、無理なく摂取できる工夫が施されている。

重症管理と消化管機能に配慮した補助療法

 集中治療や重症患者の栄養管理においては、エビデンスに基づいた腸内環境の改善や動態管理の提案が目立った。ヤクルト本社は、ビフィズス菌や乳酸菌にガラクトオリゴ糖を組み合わせた「シンバイオティクス」を提案。これは日本集中治療医学会編『日本版重症患者の栄養療法ガイドライン2024』でも集中治療領域における補助的栄養療法として位置付けられており、急性期における腸内環境管理の重要性をあらためて印象付けた。

 ネスレ日本が今年3月に発売を控えるアイソカル パワーゲルは、アルギン酸ナトリウムとカゼインを配合した粘度可変型の流動食である。投与時は液体だが、胃内などの環境で高粘度の半固形状へ変化する特性を持ち、1.5kcal/mLの高エネルギー設計と併せ、少量で効率的かつ生理的な栄養管理を可能にしている。

在宅医療・地域包括ケアを支える嚥下・介護食

 高齢化社会の進展に伴い、在宅や施設での継続的な栄養管理を支える「ユニバーサルデザインフード(UDF)」の展示も充実していた。キユーピーのやさしい献立シリーズは、かむ力や飲み込む力に応じた区分設計により、個々の嚥下状態に合わせた選択を可能にしている。味や見た目、食べる楽しさの重視に加え、在宅医療現場での利便性を考慮した簡便調理・常温保存設計が特徴。今年3月には嚥下困難者用食品やさしい献立 とろみファイン(10本入り)が新発売される予定であり、地域包括ケアにおける嚥下ケアの選択肢がさらに広がることが期待される。

 今回の展示では、最新のガイドラインや診断基準を意識した製品が目立った。新製品の市場投入によって、臨床現場における栄養介入の質がより向上することが期待される。

(第41回日本栄養治療学会取材班)

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