医療機器技士なり手不足、学校の受験者減少...認知度不足も一因か「重症患者の治療にも支障出かねない」〔読売新聞〕

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 人工呼吸器や人工心肺装置などの医療機器を扱う臨床工学技士のなり手が不足している。養成を担う専門学校や大学からなる協議会は、加盟校の約9割で受験生が減っているとの調査結果をまとめた。医療の質を保つには学生の確保が欠かせないとして、各校は教育内容の充実を図る。

 池見東京医療専門学校(東京)で1月下旬、臨床工学技士を目指す学生8人が心臓病治療用のカテーテル(細い管)の実習に臨んだ。医師役と臨床工学技士役に分かれ、血管にカテーテルを入れる方法などを学んだ。石井麦生校長は「医療現場で使える技能が身に付くように実践形式の授業を多く行っている」と語る。

 臨床工学技士は医学と工学の知識を持つ専門家として、医療機器を操作して治療を支援し保守点検を担う。専門学校や大学で専門教育を受け、国家試験に合格することで資格を得られる。日本臨床工学技士会には2025年3月時点で2万5235人が所属する。

【グラフ】臨床工学技士を養成する学校の入学時定員充足率

yomiuri260427_1.png


 教育現場は次世代の人材確保に苦慮している。日本臨床工学技士教育施設協議会の調査では、22~25年度の受験者の動向として、回答した71校のうち62%が「大幅に減少」、27%が「やや減少」とした。25年度の入学者数が定員の半数以下の学校は48%で、定員の平均充足率は61%にとどまった。

 協議会代表理事の中島章夫・杏林大教授は、認知度不足で進路の選択肢になりにくく、少子化で受験生が減っているとみる。中島教授は「定員割れが続けば閉校も起こりうる。高度な医療機器を扱える人材が少なくなり、重症患者の治療にも支障が出かねない」と懸念する。

 各校も学生確保に知恵を絞る。神戸大は25年度、医学部に医療創成工学科を新設した。臨床工学技士に加え、医療機器開発に関する知識も学べる点をアピールする。新潟医療福祉大は、採血や心電図の検査を担う臨床検査技師の受験資格も得られるようにした。

 中島教授は「医療機器の高度化で今以上に臨床工学技士が必要になる。各校が魅力あるカリキュラムを用意し、学生を確保することが重要だ」と強調する。

(2026年4月27日 読売新聞)

ヨミドクター

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする