3学会、新型コロナワクチン接種を強く推奨
日本感染症学会、日本呼吸器学会、日本ワクチン学会
日本感染症学会、日本呼吸器学会、日本ワクチン学会は本日(9月1日)、「2026年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解」を公表。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の高齢患者における重症化・死亡リスクは依然として高く、免疫を逃れる新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異も続いているとして、今冬および来夏の流行に備え、今年(2026年)10月に始まる流行株に合わせた最新ワクチンの定期接種を強く推奨した。(関連記事「2025年度の新型コロナワクチン接種、3学会が見解」)
変異株、流行繰り返す状況続く
厚生労働省の人口動態統計によると、昨年の65歳以上のCOVID-19死亡者数は2万1,003人となり、インフルエンザの死亡者数6,333人を大きく上回った。また今シーズン、高齢者の基幹定点医療機関への入院患者数は8月23日までに1万230人を数え、集中治療室(ICU)入室や人工呼吸管理を要する重症例も多く見られている。高齢者にとってインフルエンザの重症化リスクは大きいことが知られているが、見解ではCOVID-19の疾病負荷は少なくとも同等かそれ以上との見方を示した。
COVID-19は5類感染症移行後も冬と夏に流行を繰り返しており、その一因として、オミクロン系統の変異株が数カ月ごとに出現し、既感染やワクチン接種による免疫を部分的に回避する性質を持つと指摘。今年度は、5種のワクチン(ファイザーのコミナティ筋注シリンジ12歳以上用、モデルナのエムネクスパイク筋注シリンジ12歳以上用、武田薬品工業のヌバキソビッド筋注1mLがXFG対応、第一三共のダイチロナ筋注、Meiji Seikaファルマのコスタイベ筋注用がNB.1.8.1対応)が定期接種に用いられる予定で、いずれもJN.1系統およびその亜系統への免疫原性が非臨床試験で確認されているとした。
JN.1およびLP.8.1対応ワクチンの効果を確認
国内の症例対照研究VERSUSでは、2024年秋からのJN.1対応ワクチン接種により、65歳以上の発症予防効果は44.3%、60歳以上の入院予防効果は61.8%と報告している。昨年4~9月も、60歳以上の入院予防効果は72.1%を維持しており、秋接種の効果が翌年の夏まで持続する可能性が示唆された。また、同年秋のLP.8.1対応ワクチンについては、米国で65歳以上の救急受診予防効果が48%、入院予防効果が53%、デンマークでは65歳以上の入院予防効果が60.6%、死亡予防効果が70.1%と報告されているとした。
安全性については、接種部位の疼痛や発熱、倦怠感など一過性の有害事象が一定の割合で見られるものの、国内外の複数の疫学研究で、ワクチン接種と接種後の死亡との関連は認められていないと説明。副反応疑い報告制度では因果関係が不明でも報告が義務付けられているとした上で、ワクチンの安全性については国や学術団体による調査が継続されているとした。
以上を踏まえ、3学会は「高齢者には流行株に合わせた最新の新型コロナワクチンの定期接種を強く推奨する。過去にCOVID-19に罹患したことがある人にも再感染が見られるため接種を勧める」としている。
(編集部・小暮秀和)
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