次世代の健康は妊娠前から!
日本DOHaD学会、プレコンセプションケア推進を支持
日本DOHaD学会はこのほど、こども家庭庁が昨年(2025年)5月に策定した「プレコンセプションケア推進5か年計画」(以下、5か年計画)の実現に向けた声明を発表。5か年計画および「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太方針2026)」において、プレコンセプションケア(妊娠前健康管理)が予防医療・疾病対策として位置付けられたことを歓迎した。妊娠前から次世代の健康を見据えるDOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)の重要性をあらためて強調している。(関連記事「次世代につなげる周産期からの先制医療」)
胎児期から将来の健康に影響するDOHaD
DOHaDは、胎児期や出生後早期の環境要因が、将来の成長や発達だけでなく肥満や糖尿病、高血圧、循環器疾患などの発症リスクに長期的な影響を及ぼすという考え方。近年は、妊娠中だけでなく妊娠前の親の生活習慣や環境要因が次世代の健康に影響する可能性についても研究が進んでいる。しかし、諸外国と比べ日本ではプレコンセプションケアの理解や実践が十分とは言い難いのが実情である(関連記事「日本人女性における妊娠前ケアの実態は?」)。
声明では、「生活習慣などが出産だけでなく、子や本人の将来の健康にも影響を及ぼす可能性がある」とした5か年計画の基本認識は、日本DOHaD学会がこれまで提唱してきたDOHaD概念と軌を一にするものと指摘。プレコンセプションケアを単なる妊娠準備ではなく、「次世代の健康を見据えた先制医療」と位置付けるべきだとした。
エビデンス創出から社会実装まで4つの重点活動
声明では、関連政策の実装に向けた活動方針として、以下の4項目を提示した。
産婦人科以外でも重要性高まる
プレコンセプションケアは従来、産婦人科領域の課題として捉えられることが多かった。しかしDOHaDの視点では、生活習慣病をはじめ、次世代の健康と長期にわたり密接に関わる可能性がある。
今後、5か年計画の進展に伴い、産婦人科だけでなく、内科、小児科、総合診療科、地域医療の現場においても、妊娠可能年齢の男女に対する生活習慣改善や健康教育の重要性が高まると考えられる。今回の声明は、DOHaD研究の知見を政策と臨床現場に橋渡しする学会としての役割を明確に打ち出したものといえそうだ。
(編集部・関根雄人)
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