遺伝性疾患に伴う消化器癌の診断・サーベイランス・治療

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統合プログラム1(S)(JDDW・日本消化器病学会・日本消化器内視鏡学会・日本肝臓学会・日本消化器外科学会・日本消化器がん検診学会)

11月5日(木) 9:00~12:00 第6会場(神戸ポートピアホテル 大輪田B)

※氏名は敬称略

[司会]

掛地 吉弘

兵庫県立がんセンター

松林 宏行

静岡がんセンター・ゲノム医療推進部

森實 千種

国立がん研究センター中央病院・肝胆膵内科

[演者]

石川 秀樹

京都府立医大・分子標的予防医学

西川 義浩

京都大・消化器内科

櫻井 祐輔

自治医大・消化器内科

吉岡 貴裕

高知医療センター・消化器外科

長末 智寛

九州大大学院・病態機能内科学

河村 玲央奈

国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科

菊家 健太

防衛医大病院・外科

吉井 元

静岡がんセンター・内視鏡科

重川 稔

大阪国際がんセンター・肝胆膵内科

井上 大

都立多摩総合医療センター・消化器内科/都立多摩総合医療センター・ゲノム診療科

平川 昌宏

札幌医大・腫瘍内科

阿部 敏明

東北大大学院・消化器病態学

掛地 吉弘

松林 宏行

森實 千種

 がんゲノム医療の開始から約7年が経過し、消化器病領域でも、多遺伝子パネル検査、マイクロサテライト不安定性(MSI)検査/ミスマッチ修復(MMR)タンパク質免疫染色、BRCA遺伝学的検査などが行われ、さまざまな遺伝性腫瘍の診断につながっている。一方、遺伝学的検査の実施状況や検査情報の活用には施設間で差が見られる。本セッションでは、消化器病領域の遺伝性腫瘍について、検査・診断からサーベイランス、治療まで、最新知見を幅広く取り上げる。司会の松林宏行氏は「遺伝性腫瘍に関するがんゲノム医療の均てん化を目指したい」と話す。

日常診療ではまれでも、見逃せない遺伝性腫瘍

 第1席の基調講演では、長年にわたり遺伝性腫瘍の研究に携わる石川秀樹氏が登壇し、後続の演題を理解する上で前提となる遺伝性腫瘍の総論を講演する。続く2講演では、特に希少な2疾患に焦点を当てる。西川義浩氏は、膵神経内分泌腫瘍や網膜・中枢神経系の血管芽腫、副腎の褐色細胞腫などを併発しうるフォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病を解説。櫻井祐輔氏は、過誤腫性ポリポーシスを生じるPeutz-Jeghers症候群における膵がんについて、全国規模の集計データを発表する。いずれも関連腫瘍の早期診断が重要な症候群であり、継続的なサーベイランスの重要性を確認したい。

 遺伝性腫瘍の中でも比較的頻度の高い疾患として、大腸がんや子宮体がんを若年で発症するリンチ症候群と大腸ポリポーシスを特徴とする家族性大腸腺腫症(FAP)があり、また近年ではFAPと同じAPC遺伝子のプロモーター1B領域のバリアントに起因して発症するGastric adenocarcinoma and proximal polyposis of the stomach(GAPPS)の報告が散見されるようになってきた。

 吉岡貴裕氏は、大腸がんに対するMMRタンパクの免疫染色を活用したリンチ症候群のユニバーサルスクリーニングの成果を紹介。一般医療施設にも応用可能なリンチ症候群拾い上げの実践例として注目される。長末智寛氏は、自施設におけるGAPPS治療例の後方視的検討結果を報告し、大腸にポリポーシスが無い胃底腺ポリポーシス症例にも、遺伝性腫瘍の可能性を念頭に置いて、注意を払う必要性があることを示す。

 FAPでは3演題が予定されている。河村玲央奈氏は、FAPに対する低出力純切開波を用いた内視鏡切除(LPPC-HSP)の有用性を報告。国内有数のFAP内視鏡診療を行う施設の実績や技術に注目したい。全国多施設データベースを用いたFAP患者の大腸外随伴病変コホート解析結果を示す菊家健太氏の発表では、FAP患者の多様な臨床像や合併症に関する知見の集積が期待される。FAP患者では胃底腺ポリープ由来がんなど胃がんのリスクも高く、上部消化管を含めた継続的な管理が重要となる。吉井元氏は、FAP例での胃病変サーベイランスにおける胃腫瘍発生率と治療成績を報告する。

 重川稔氏は、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)に発症する膵がんについて、全国規模で集積した症例の解析研究を発表。生殖細胞系列由来の遺伝子変異も少なくないとして、患者・血縁者の検査やサーベイランスの重要性を示す。井上大氏は、HBOCやリンチ症候群に対する膵がんサーベイランスの現状を報告。単施設として最多の症例数を有することから、サーベイランスの最適化を考える上で参考となる。平川昌宏氏は、HBOCにおける消化器がんリスクの層別化を取り上げ、サーベイランスの対象と方法という課題に迫る。

 大規模な日本人健常者の遺伝情報を蓄積する東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)のデータベースは、遺伝子バリアントの病的意義を判断する上で重要な情報源として高い関心が集まる。最後を飾る阿部敏明氏は、同データベースを用いた遺伝性膵がんの前向きサーベイランス研究を報告する。

 松林氏は「日常診療で遭遇する機会が少ない遺伝性疾患については、経験豊かな医師でも知識が薄れがちになりやすい。ぜひ、本セッションに参加して、遺伝性消化器腫瘍の概念を再確認し、最新の臨床マネージメントのポイントを掴んでほしい。また、がんゲノム医療の二次的所見についても、積極的に診療につなげていただきたい」と呼びかけている。

※本記事の内容は取材時点での情報です。当日に変更となる場合があります。

JDDW 2027 KOBE JDDW 2027 KOBE

第69回日本消化器病学会大会

[会長]大平 弘正
(福島県立医科大学 消化器内科)

第114回日本消化器内視鏡学会総会

[会長]阿部 展次
(杏林大学 消化器・一般外科)

第31回日本肝臓学会大会

[会長]芥田 憲夫
(虎の門病院 肝臓内科)

第25回日本消化器外科学会大会

[会長]五井 孝憲
(福井大学 外科学(1))

第65回日本消化器がん検診学会大会

[会長]小田 丈二
(こころとからだの元氣プラザ 消化器内科)

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